2024年4月27日土曜日

犬の首輪で地震予知

 
 
『AdAge』というウェブサイトに掲載されている記事です:

以下は記事の概略です ——

L&C のプロジェクトは健康モニタリング技術を使用して、地震活動に先立つ犬のストレス・レベルを特定する。
 
病気、霊的な存在、自然災害など、動物は人間よりも先に何かを感じ取ることができるとよく言われる。グーグルで検索すると、犬が癌を発見してくれたとか、ハリケーンの前に避難するように警告してくれなどといったさまざまな逸話が見つかる。

では、あなたのペットが地震を感知してくれるとしたらどうだろうか?
 
PetPace 社は、犬の首輪を使って地震活動を予測する L&C と Serviceplan Group が始めたキャンペーンでその理論を試している。
 
Animal Alerts キャンペーンは、環太平洋火山帯にあるために地震多発地帯として知られるペルーで開始された。PetPace 社のテクノロジーを利用した首輪でペットの生体情報を監視し、初の地震警報システムを開発することを目指している。
 
科学的研究によると、動物は地震の前駆的現象に反応して不安などの異常行動を示すことが多い。キャンペーンは、PetPace 社のスマート首輪を通じて犬の健康データを収集し、地震との相関関係を分析し、さまざまなメディア・チャネルを通じて住民に警告するシステムを開発することを目指している。
 
このキャンペーンは、地震予知技術が進歩したにもかかわらず、いまだに信頼性が低いことに起因している。ペルーでの打ち上げが決定されたのは、この地域が世界中の地震活動の 90% を経験しているためである。

ロンドン・サウス・バンク大学の行動生態学者レイチェル・グラント博士は次のように述べている。「多くの体系的な研究で、動物は地震の前にふだんと異なる行動をとることが多いことが示されています。 犬はその鋭い感覚と人間との距離の近さから、この現象のモデルとして特に有用です」、「Animal Alerts キャンペーンによって、初めてリアルタイムで再現可能な生理学的データを収集することができ、短期的な地震リスク予測に役立てることができます。」

まだ初期テスト段階ではあるが、ペルーの首都リマでは 2月から Animal Alerts が導入されており、複数の犬が首輪でモニターされている。 これまでのところ、PetPace 社には 100 件を上回る登録があったと L&C の共同創設者であるジャン・カルロ・ランフランコ氏は『Ad Age』 に語った。「まだ初期段階ですが、リマで地震活動を検知することができました」、「科学者たちは常にデータを評価しながらプロジェクトを続けていますが、これは長期的なプログラムです」と同氏は語った。
 
ペットの快適さを確保するように設計されたこの首輪は、脈拍、心拍数の変動、温度、呼吸、活動量などの重要な健康データを非侵襲的なセンサーを通じてを収集する。データは記録され、リアルタイムで PetPace 社のクラウドに送信され、PetPace 社の科学チームが開発した AI アルゴリズムが犬のストレス レベルを判定する。
 
リマ市内のさまざまな場所にいる複数の犬が同時にストレス・レベルの異常な増加を示した場合、これは差し迫った地震の兆候である可能性がある。
 
 
記事中にペルー地域が「世界中の地震活動の 90% を経験している」とあるのは、過大な数字であると思います。
 

海水魚が川で大量死 — 東京都品川区

 
東京都の世田谷区や品川区を流れ東京湾に注ぐ目黒川(地図)の複数の場所で、4月19日ごろから海水魚のコノシロ(コハダ)が大量に死んでいるのが見つかっています。水質調査などで有害物質は検出されていません。

「初めて」(長く住む住民)、「これまでも魚の死骸が浮いているという事案はあったが、これほど数が多いのは珍しい」(品川区の担当者)、「目黒川の河口あたりにだいぶ集まっていたところが、潮の満潮に押されるような形で、川の中に入り込んできたんだと思います」(東海大学 海洋学部教授):
 

2024年4月25日木曜日

台湾大地震は「匂い」で予知されていた

 
4月3日の朝に発生した台湾の大地震(M7.4)が「匂い」によって予知されていたとのこと。インドのテレビ局の報道記事です:

以下は記事の概略です(中国語の部分は Google翻訳を使用) ——
 
ある女性が台湾の空の写真を Facebook に投稿し、「今天的天空好奇怪 怪美的」(今日の空はとても奇妙で美しいです)とのキャプションを付けた。これに対してある台湾人男性がコメント欄に「漂亮但有921大震前傍晚的味道怕怕的要小心注意的」(美しいですが、921地震の前夜のような匂いがするので注意してください)と書き込んだ。彼は 1999年9月21日に台湾を襲った Mw7.6 の地震(921大地震、集集大地震)について言及していたのだ。男性の不気味な予言から数時間後、M7.4 の地震が台湾を襲い、甚大な被害をもたらした。

男性の述べた「匂い」が実際に空気中に漂っていた匂いなのか、あるいは、単に空の様子から受ける印象とか雰囲気とかを指していたのかは判然としません。女性の方も「奇怪」という言葉を使っているので、何か感ずるところがあったのかも知れません。
 
 
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2024年4月22日月曜日

伊勢湾口で深発地震、異常震域

 
4月21日21時28分、伊勢湾の入り口付近(震央地名は遠州灘)で M4.2、深さ 340km(いずれも速報値)、最大震度 1の深発地震がありました。この地震による震度 1 以上の揺れが観測されたのは遠く離れた栃木県宇都宮市だけでした。異常震域現象です。

震源付近では、沈み込んでいるフィリピン海プレートの上面は深さ 20km 付近、太平洋プレートの上面は深さ300〜350km 程度です。

(図は防災科学技術研究所「AQUAシステム メカニズム解カタログ」より)
 
 
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小惑星 2024 HX が月と地球に接近・通過

 
4月14日から15日にかけての深夜、小惑星〝2024 HX〟が月と地球の近くを通過していたことが NASA/JPL による 4月21日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 HX
(2024年4月21日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)4月14日 23:29
 (地球)4月15日 01:30
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.22 LD
(地球)0.55 LD
推定直径
9 ~ 20 m
対地球相対速度
9.6 km/s ≅ 3万5000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2029年10月19日ごろ
公転周期435 日 ≅ 1.19 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年4月21日日曜日

4月17日豊後水道の地震と南海トラフ巨大地震

 
4月17日深夜に豊後水道で発生した M6.6、深さ 39km の地震では、愛媛県と高知県で震度 6弱の揺れを観測しましたが、この地震は南海トラフ地震の想定震源域で起きたため、同地震との関連が注目されています。この点について TV各局は専門家に取材しています。どのような答だったのでしょうか。

NHK ——
 政府地震調査委員会 「大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」

東京大学・平田直名誉教授 「あくまでもふだんと比べて特段の変化を示すデータを得られなかったという評価をしただけで、南海トラフ地震は何の前触れもなく起きる可能性が高いため安心してはいけない」

テレビ朝日 ——
 京都大学・防災研究所・西村卓也教授「今回の地震は沈み込んでいるフィリピン海プレートの中でおこった地震で、プレート自体が割れたような地震ですね。動いている断層の向きや方向が違うので、そこまで直接的な影響がないんじゃないかと思います」「(警戒すべきエリアは)北海道の東部です。釧路・根室地方なんかでも地面の動きが観測されている。これは、いつかわからないけれども、次の地震に向けて着実に歪みが蓄えられているということ」

東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授 「メカニズムが少し違いますけどお互いに関連して起きています。今回の地震は、南海トラフ地震のようなプレート境界の地震と“対になったような地震活動”であると思われます。影響が及ぶ可能性は非常にあると思います」「今までは東日本大震災の余震みたいのがほとんどだったんですが、その活動がフィリピン海プレートまで影響を与えて、それが今度はフィリピン海プレートの地震活動に移ってきたということを表しています」「(警戒すべきエリアは)南海トラフの東側。四国、紀伊半島、静岡、関東、その辺のかなり広い範囲ですけども、そういうところに影響を与える可能性があります」

フジテレビ ——
東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授 「東海沖、南海沖に境目がある図になっていますが、その境目があるかというと、実は熊本地震の1週間前に紀伊半島の沖で地震活動がありまして、それはその境目にまたがって起きているんですね。つまり今回の地震活動が二つの領域でいっぺんに影響する可能性が高いと考えられます。一緒に起こる可能性が非常に高いんです」「フィリピン海プレートは全部つながっています。一番東側が茨城や千葉の地震なので、首都圏直下の地震もあわせて警戒する必要があると思います」「今回の四国の地震とほとんど同時に、台湾でマグニチュード5の地震が起きているんです。これは全部フィリピン海プレートでつながっているところなんです」
 
日本テレビ ——
 新潟大学危機管理センター・田村圭子教授 「(頻発する地震について)地震は活発期があって、1度地面が動くと、その周りでも地面は動きやすくなる。様々な地方で地震が起これば起こるほど、辺りも揺れる可能性はある」
 
 

ササが開花 — 富山県高岡市

 
4月19日、富山県高岡市伏木一宮にある万葉歴史館(地図)の前庭でササが開花しているのが見つかりました。前庭のササ全体に花が広がっているとのことです。記事にはササの種類は書かれていません。同館では昨春、別の庭でタケの花も咲いたとのことです。
 
「ササの花が咲くのは 60年に 1度とも 100年に 1度ともいわれ ・・・」: 
 

2024年4月20日土曜日

ムーダス・ノイズ

 
このブログでも 1年ほど前に紹介したことがある原因不明の「ムーダス・ノイズ」についての日本語の記事です:
 《 この小さな町の地形が、数世紀にわたり続く奇妙な地震活動の原因とされており、古くは先住民の時代から「ムーダス・ノイズ」と呼ばれてきた 》  

《 小さな地震が起きる度に爆発のような大きな音を立てるのが特徴 》
 
 
 

2つの小惑星が月と地球に接近・通過

 
4月17日と19日に、2つの小惑星が相次いで月と地球の近くを通り過ぎていたことが、4月19日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。
 
2024 HO
(2024年4月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)4月17日 19:57
 (地球)4月17日 22:10
接近日時 誤差
(月)± < 1 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)0.63 LD
(地球)0.45 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
10.2 km/s ≅ 3万7000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2060年1月14日ごろ
公転周期876 日 ≅ 2.40 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2024 HQ
(2024年2月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)4月19日 07:11
 (地球)4月19日 17:54
接近日時 誤差
(月)± 2 分
(地球)± < 1 分
接近距離 (月)1.45 LD
(地球)0.83 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
7.5 km/s ≅ 2万7000 km/h
初観測から地球接近まで1 日
次の地球接近2024年9月30日
公転周期536 日 ≅ 1.47 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2024年4月19日金曜日

大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見

 
京都大学の 4月18日付の発表です:

「プレート境界面には、すべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在し、その粘土質の中にある水が地震発生前の高温高圧下で超臨界状態となり、電気的な性質が通常の水と異なり絶縁性となり、電気的特性が急に変化することで電磁気学的異常が生成することを初めて提案し、電離層への影響を大気の静電容量によりモデル化し、モデルから予測される生成電場の大きさと観測されている地震発生前の電離層の伝搬異常の速度変化が整合的であることを示しました。」

「本研究成果により、大地震発生前に観測された電離層の異常が、偶然のノイズによるものではなく、物理的な因果関係を持つ前兆現象である可能性が大きくなったと考えることができます。」

 
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