2012年3月2日金曜日

イランが地震予知衛星を計画


地震の前後に地上から放出される電磁波を捉えて地震予知をめざす人工衛星の打ち上げを、イランが計画しています:

以下は記事の要約です:
人工衛星は Ayat (「前兆」の意)と名付けられ、地震の発生時刻を予知する。同国としては最初の試み。 
この衛星は、地震の前や後に地球から放出される信号を識別する。衛星の重量は50~70kgで、低軌道に投入される。 
フランス、中国、ロシアはこの分野での研究を進めている。Ayat 衛星は、地震擾乱(seismic disturbances)を処理する上で重要な役割を果たす。 
イランの領土はいくつかの巨大断層帯にまたがっているので地震が多発し、多くの被害が出ている。 
近年に起きた最悪の地震は、2003年12月に南東部のケルマン州で発生したバム地震である。バム市の人口の4分の1にあたる3万1千人が死亡した。 
最も死者の多かった地震は1990年7月に発生したマグニチュード7.7の地震で、北西部のギーラーン州とザンジャーン州で3万7千人の死者と10万人の負傷者が出た。この地震では、27の町と1870の村が破壊された。 
首都テヘランは2つの巨大断層にまたがっており、1400万人の住民は大地震の恐怖におびえながら暮らしている。

人工衛星や国際宇宙ステーションから電離層の変化などを観測して地震予知につなげる研究では、フランスやロシアが先行しており、すでに具体的な成果を上げています。日本では、予算配分の硬直化などで、正面切って「地震予知」を看板にした衛星打ち上げは予算獲得が困難なようです。

イランの首都テヘラン(地図)では直下型の巨大地震が起きる可能性が指摘されており、数年前から首都移転計画がスタートしています。密集地域に住む市民の強制移住が始まっていると伝えられたこともあります。詳しくはこのブログの2009年11月2日付「イランが首都移転計画をスタート」を参照してください。

同じく直下型の大地震が懸念される東京では、首都機能の一部を他の都市に移転することすら進展が見られません。


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