2017年10月31日火曜日

霧島山(新燃岳)の警戒範囲縮小


10月31日、霧島山・新燃岳(地図)の警戒範囲が火口から2kmに縮小されました(これまでは3km)。噴火警戒レベルは「3(入山規制)」のままです。10月23日以降、火山性ガスが減少している、10月21日を最後に火山性微動が発生していない、10月16日以降、傾斜計に特段の変化が見られない、などが理由として挙げられています。ただし、「マグマなどの火山性流体の活動を示すと考えられる低周波地震は引き続き発生」しているとのことです:

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えびの高原硫黄山の噴火警戒レベル引き下げ


10月31日、えびの高原硫黄山(地図)の噴火警戒レベルが、「2(火口周辺規制)」から「1(活火山であることに留意)」に引き下げられました。火山性地震が少ない状態で経過、火山性微動は観測されていない、傾斜変動は停滞、火口内や周辺の熱異常域に縮小が認められた、火山ガスの放出量が検出限界未満であった、などが引き下げの理由として挙げられています:

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3つの小惑星が月と地球に接近・通過


このところ、地球接近後に発見されたり、接近後何日も経ってから接近の事実が判明したりする小惑星が増えています。 以下は、地球に接近していたことが新たに判明した小惑星のうち、このブログの掲載基準である「地球まで 2LD 以内」に近づいたものです。これらの小惑星は全てアポロ群に分類され、かなり大きなものも含まれています:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UP4314~32  (月)10月27日 01:06
(地球)10月27日 10:57
1.94
1.17
2017 UL86~13  (月)10月30日 06:47
(地球)10月30日 12:27
1.61
1.16
2017 UK85~11  (月)10月30日 09:16
(地球)10月30日 14:18
1.22
0.59
(1LD=地球から月までの平均距離) 

2017 UP43 の接近時刻には、地球に対して ±3分の誤差が見込まれています。他の小惑星の接近時刻の誤差は ±1分未満です。

接近時の地球との相対速度は UP43 が秒速8.0km(時速約2万9000km)、UL8 が10.5km(3万8000km)、UK8 が 14.1km(5万1000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2017年10月29日日曜日

北極点近傍で地震3連発


日本時間10月29日未明から明け方にかけて、北極海のフランツ・ヨシフ諸島(ゼムリャー・フランツァ・イオシファ、地図)の北方海域で、大きな地震が少なくとも3回発生しました。震源の緯度は 86.83~86.99 で北極点の近くです。震源の深さはいずれも浅く、10km とされています:
  • 10月29日 01:13 北緯86.99° 東経54.26° 深さ 10km M5.7
  • 10月29日 01:16 北緯86.83° 東経54.20° 深さ 10km M5.7
  • 10月29日 04:11 北緯86.98° 東経56.93° 深さ 10km M6.0

地図で見るとわかりますが、フランツ・ヨシフ諸島の北方にはアイスランドを貫いて北上した大西洋中央海嶺の延長部分が通っています。今回の一連の地震は、発表されている座標から判断して、この海嶺で発生したようです。

ちなみに、ユーラシア・プレートの太平洋プレートに対する相対運動のオイラー極は、北極点からはかなり離れたカナダのハドソン湾にあります。


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小惑星 2017 UL6 が月と地球に接近・通過


10月28日、小惑星〝2017 UL6〟が月と地球に接近・通過しました。

この小惑星は10月27日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は非常に小さく 1~2m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UL61~2  (月)10月28日 16:18
(地球)10月28日 20:24
1.14
0.16
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速8.0km(時速約2万9000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-176)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 10月28日16:30 付けで更新情報を出しています ―― 前兆継続中、最早の地震発生時期は12月21日前後:

以下は今回の更新情報のまとめです ――

推定時期前兆が完全に終息するまで確定できない。
現時点では 12月21日± の可能性が示唆される。
推定時刻 午前9時±1時間 または 午後6時±3時間
推定震央領域 岐阜県愛知県長野県西部、静岡県西部、福井県、滋賀県、富山県西部、石川県南部、京都府北部など
前回更新情報の地図参照 (点線: 大枠推定領域、太線: 可能性が考えやすい領域)
ある程度、火山に近い領域の可能性がある。
推定規模 M7.8 ± 0.5
推定地震種 震源の深さ30km以浅の陸域地殻内地震
 

▼ 現状
  • これまで継続していた前兆が引き続き継続出現している。

▼ 考察
  • 2008年7月初旬から9年3ヵ月以上にわたって前兆が継続。これまで最長の前兆継続期間は3年3ヵ月。「過去に観測例の無い長い前兆で困惑しており、なかなか今後どう変化するのか不明な点があります。お許しください。」

  • 現在は第24ステージと認識。

  • 前回の更新情報では地震発生時期について「11月6日±(10月27~28日 に前兆が完全終息することが条件)」としていたが、現時点でも前兆が継続出現しているため、11月6日± の可能性は完全に否定される。

  • 主な前兆の出現開始時期と極大の関係([前兆初現~地震発生]:[前兆極大~地震発生]=20:13 など)から、次に可能性が考えられるのは12月21日±。

  • 11月19日± の可能性も否定困難であるが、可能性は低い。

  • 対応地震の推定領域、推定規模などに変更はない。前回の更新情報を参照されたい。

  • 「懸念されております『関東直下型大型地震』『南海トラフ大型地震』等の前兆は、本観測で確実に捉えられると思われます」「現在は、これらの巨大地震の前兆は一切観測されておりません」。

串田氏の地震予測手法については、同氏の著書(『地震予報』、PHP新書 833)か以下の資料をご覧ください:

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オーロラと謎の発光球体


10月26日にロシアの Strezhevoy(地図)で撮影された写真です。ロシア軍の演習で発射されたミサイルの排気が原因ではないか、と考えられています:

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2017年10月27日金曜日

小惑星 2017 UW5 が月と地球に接近・通過


小惑星〝2017 UW5〟が、10月21日に、月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星は最接近後の10月23日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 5~11m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UW55~11  (月)10月21日 10:54
(地球)10月21日 17:47
1.22
1.08
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速14.9km(時速約5万3000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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他の恒星系からやって来た彗星が太陽に接近


特異な彗星〝96P/Machholz 1〟(以下、マックホルツ彗星)が、10月27日(日本時間では28日?)に太陽から 0.12天文単位(約1800万km)のところを通過します。2002年に太陽に接近した際には、2つの破片と思われる小さな光点が先行しているのが観測され、続いて本体が太陽の側を通過した直後(数時間後)に太陽面で最大級の爆発が発生しました。まるで彗星が太陽を爆撃したようです(以下の動画参照):

この彗星の接近と爆発の間に因果関係はないとされています。

マックホルツ彗星が発見されたのは1986年で、公転周期は5.29年(『天文年鑑2017年版』)。四分義座流星群など3つの流星群や2つの彗星のグループ(Marsdens と Krachts)、小惑星 2003 EH1 と関係があるとされ、1000年ほど前にはそれらとマックホルツ彗星は一つの天体を構成していたと考えられています。

マックホルツ彗星が特異であるのは、その構成成分です。他の彗星とは全く異なっているため、他の恒星系からやって来て、太陽の重力場に捉えられたと考えられています:

10月18日に発見された彗星〝C/2017 U1〟は、その軌道が特異であるため、太陽系外からやって来たと考えられています。やって来たのは「こと座」の方向から。ちなみに、太陽系は秒速 約19 kmでこと座とヘルクレス座の間の領域に向かって移動しています(太陽向点):

2017年10月25日水曜日

霧島山の噴火と大地震 (続報)


10月12日付「霧島山の噴火と大地震」の続報です。

霧島山の噴火と後続する大地震について、前回のこのブログの記事よりも詳しい内容の記事です。今回の霧島連山・新燃岳の噴火に後続する大地震の発生場所についても予測が書かれています。「どれが的中しても2020年の東京オリンピックが中止になりかねない大災害となることが予想される」:

こちらは環太平洋地域の地震や火山噴火に着目した記事です。「新燃岳は度々噴火を繰り返していますが、例えば1716年、1960年、そして東日本大震災が発生した2011年と、噴火後の2カ月~半年以内に、宮城県沖で大きな地震が発生している」:

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2017年10月24日火曜日

小惑星 2017 UK3 が地球と月に接近


10月25日朝、小惑星〝2017 UK3〟が地球と月に接近します。

この小惑星は10月22日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 10~21m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UK310~21 (地球)10月25日 06:09
 (月)10月25日 08:12
1.38
0.80
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速13.3km(時速約4万8000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2017年10月23日月曜日

小惑星 2017 UJ2 が地球を掠めて行きました


小惑星〝2017 UJ2〟が、10月20日に月と地球に接近していたことがわかりました。地球との最接近距離は 0.0465…LD(約1万8000km)で、地表からの高度に直すと約1万1500km。気象衛星など静止衛星の高度の3分の1以下でした。

この小惑星は最接近後の10月21日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 2~4m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UJ22~4  (月)10月20日 09:41
(地球)10月20日 23:07
0.65
0.05
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速8.5km(時速約3万1000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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小惑星 2017 UR2 が地球と月に接近・通過


10月17日から18日にかけて、小惑星〝2017 UR2〟が月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星は最接近後の10月19日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 8~17m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UR28~17  (月)10月17日 18:20
(地球)10月18日 01:32
1.33
0.83
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速10.8km(時速約3万9000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2017年10月22日日曜日

「ヤロカ水」 大雨の夜、裏山から聞こえる不気味な声


各地に残る災害伝承についての記事です。大雨の夜、ある村に“ヤロカヤロカ(欲しいか欲しいか)”という不気味な声が聞こえた・・・

消防庁のウェブ・サイトにある災害伝承のリストには、さまざまな伝承が集められています。「イワシ雲が出ると地震がおきる」、「地震のときは『まんぜえろく』と唱える」、「地震のとき『マンダラッコ、マンダラッコ』と唱えるとよい」、「地震の道がある」、「地震が起きる前には、スズメ・カラス等の鳥がいなくなる」、「山の生物が里に下りたら、火山爆発の前兆」、「海の水がにごるのは地震の前触れ」、「地震のあとに鳥の鳴かざるは大地震の前兆なり」、「ヘビが、屋根に登るは、地震の知らせ。アリが多い年は地震多し」、「風のない、どんよりした日に、地震がよく起こる。東から西にかけて、空に細長い雲が発生すると、地震が心配。水にひたしたもち米が、黄色になると、地震がある」などなど枚挙に遑がありません:

こちらはNHKのサイトに載っている記事。「白い雨が降るとぬける・・・蛇ぬけの水は黒い 蛇ぬけの前はきな臭い匂いがする」:

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地震発光現象はなぜ稀なのか


地震にともなう発光現象は、このブログでも何回も取りあげて来ましたが、なぜ発光現象はまれにしか見られないのでしょうか。それについての解説記事です。「世界中で発生する地震で、発光が見られたのはごく一部」、「『岩脈』が地表まで続いているところだけでしか見られない」、「岩脈が地表まで延びているという条件はごくまれだ。これが発光現象が地震の0・5%もない理由だという」:

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稍深発地震の発生メカニズムを解明 ― 愛媛大学 (補足)


8月29日付「稍深発地震の発生メカニズムを解明 ― 愛媛大学」の補足です。

今日(10月22日)の『産経ニュース』の【クローズアップ科学】に、噛みくだいた解説が載っています。「海側プレートは陸側プレートとの境界面よりもさらに深い場所へ沈み込んでおり、深さ50~300キロの場所でも内部で地震が頻発」、「(かんらん岩は)高圧にすると構造が脆弱な部分に圧力が集中し、瞬間的に1840度もの高温になって溶融することが判明。この部分が断層となって滑り、水分の有無とは無関係に地震の原因となる」:

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2017年10月20日金曜日

クジラの群れが座礁 ― 沖縄県石垣市 (続報)


10月19日付「クジラの群れが座礁 ― 沖縄県石垣市」の続報です。

10月20日付で『沖縄タイムス』も報道しています。それによると、10月16日だけでなく翌17日にも、ユメゴンドウとみられるクジラが名蔵湾(地図)に迷い込んだのが確認されたとのこと。クジラは体長約1.5~3mで、重さは最大300kgほど。「ここには釣りでよく来るが、こんなの初めて」:

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山陰の渡り鳥に異変 ― 鳥取県米子市


鳥取県米子市の米子水鳥公園(地図)で渡り鳥の「想定外の異変」が起きています。突然の大群飛来、例年と違う飛来時期、種類の変化、初めて飛来する種など、「異変が起きており、謎が深まっている」。台風の通過などの気象条件や、各地で設置が進んでいるソーラーパネルが影響しているとの指摘があります。「こうした異変は一過性のものなのか、今後も続くのか」:

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小惑星 2017 UU1 が地球と月に接近・通過


10月16日から17日にかけて、小惑星〝2017 UU1〟が月と地球に接近していたことがわかりました。

この小惑星は最接近後の10月18日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 11~25m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 UU111~25  (月)10月16日 22:11
(地球)10月17日 08:59
2.21
1.97
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は遅く、秒速5.7km(時速約2万km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2017年10月19日木曜日

「第七の大陸」の証拠は見つかるか (続報)


7月30日付 <「第七の大陸」の証拠は見つかるか」> の続報です。

2ヶ月間の調査で堆積物のコア試料を採取することに成功。「最も重要な発見の1つは、ジーランディアが現在よりはるかに浅い場所に存在した可能性が高いことだ」とのこと。ジーランディアを大陸とみなすべきか否かについては、研究者によって見解が分かれているようです:

上記記事中に「ジーランディアはかつてオーストラリアの一部でしたが、あるとき引きはがされました。その理由はまだ解明されていません」との記述があります。日本列島もかつてはユーラシア大陸の一部であったが、大陸から離れて現在の形になったという考え方があります。また、「現時点で新たにわかったのは、『環太平洋火山帯』の約5000万~4000万年前の活動がジーランディアの深さと火山活動に激的な変化をもたらしたことだ」とも書かれています。日本列島も環太平洋火山帯の一部です。ジーランディアも日本列島も、東から移動してくる太平洋プレートが傍らに沈み込んでいます。なんだかジーランディアと日本列島はよく似ているようです。ただし、一方は大洋の底に沈んでいるのですが、この違いはどこから来ているのでしょうか。

「第七の大陸」と書いてある記事と「第8の大陸」と書いてある記事があって紛らわしいですが、いずれにせよジーランディアについての記事です。


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クジラの群れが座礁 ― 沖縄県石垣市


10月16日、沖縄県石垣市の名蔵湾(地図)で、ユメゴンドウとみられる小型のクジラの群れが座礁しました。湾に迷い込んだのは14頭で、そのうち12頭が座礁しました。「背びれや体にサメによる咬傷がみられたため、沖でサメに襲われた群れがパニックに陥って浅瀬へ迷い込んだと推測」(イルカ&クジラ救援プロジェクト):

今年6月には7頭のユメゴンドウが宮崎県宮崎市の海岸に漂着しています:

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8つの小惑星が地球と月に接近・通過


このところ、地球接近後に発見されたり、接近後何日も経ってから小天体データベースの〝close-approach data〟に記載される小惑星が増えています。それらのうち、9月下旬から今日までの間に、このブログの掲載基準である「地球まで 2LD 以内」に近づいた小惑星が8個ありますので、まとめておきます。これらの小惑星は全てアポロ群に分類され、かなり大きなものも含まれています:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 SZ324~9  (月)9月20日 20:10
(地球)9月21日 00:49
0.50
0.53
2017 TQ24~8 (地球)9月30日 21:16
 (月)9月30日 23:42
0.27
0.86
2017 TM48~17 (地球)10月7日 01:09
 (月)10月7日 09:43
1.92
1.84
2017 TF531~68 (地球)10月10日 16:40
 (月)10月10日 18:38
0.73
1.34
2017 UF7~16  (月)10月15日 10:12
(地球)10月15日 12:23
1.83
0.99
2017 TH56~14 (地球)10月17日 02:16
 (月)10月17日 11:05
0.26
0.55
2017 TE517~39 (地球)10月17日 20:09
 (月)10月18日 03:58
1.34
1.85
2017 UA6~12 (地球)10月18日 00:16
 (月)10月18日 13:12
1.19
1.67
(1LD=地球から月までの平均距離) 

2017 TF5 の接近時刻には、地球に対して ±20分、月に対して ±19分の誤差が見込まれています。他の小惑星の接近時刻の誤差は ±1分未満です。

接近時の地球との相対速度は 2017 SZ32、2017 TF5、2017 UF が突出して速く、秒速22~23km(時速8万km超)と計算されています。特に TF5 は直径も大きいので、地球に衝突した場合には甚大な被害が予想されます。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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小惑星 2017 TD6 が地球と月に接近


10月20日、小惑星〝2017 TD6〟が地球と月に接近します。

この小惑星は10月11日に発見されたもので、アポロ群に分類され、直径は 10~22m と推定されています。直径の小さい小惑星ほど発見が遅れ、地球接近(最悪の場合は衝突)の直前、あるいは接近・通過後になる傾向があります。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2017 TD610~22 (地球)10月20日 03:53
 (月)10月20日 16:08
0.50
0.29
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星が最接近した時の地球との相対速度は秒速9.2km(時速約3万3000km)と計算されています。

このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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2017年10月14日土曜日

霧島山・えびの岳付近でも火山性地震増加


霧島連山では、えびの高原の硫黄山で以前から火山活動が活発化、さらに新燃岳が噴火しているところですが、硫黄山の西南西約2km、新燃岳の北西約6kmのところにある えびの岳(地図)付近でも10月6日、9日、13日に火山性地震が増加しました。「この地震の増加した場所は、2011 年に新燃岳の噴火でマグマを供給したと推定される領域で、今後も注意深く監視を行います」:

上記解説資料の第4ページ図5に震源分布図があります。


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フグの群れが川を遡る ― 福岡県福岡市 (補足)


10月14日付「フグの群れが川を遡る ― 福岡県福岡市」の補足です。

博多湾には北西-南東方向に警固断層帯が走っています(地震調査研究推進本部の説明地図)。同断層帯の北西部は2005年に福岡県西方沖の地震(M7.0)を引きおこしましたが、南東部は「今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属する」とされ、推定規模は M7.2 で、「断層近傍の地表面で、2m程度の左横ずれが生じる可能性」があると考えられています(引用部分は地震調査研究推進本部「警固断層帯」より)。

先月、コノシロの大群が香椎川の河口付近に押し寄せた件と、今月、フグの群れが香椎川を遡った件は次のように考えられないでしょうか ―― 博多湾内部を走る警固断層帯南東部の北端部で何らかの異変が発生 → 湾内の魚は断層からの不快な刺激を避けるために断層から遠ざかろうとする → 断層帯の北側にいる魚にとって逃避方向は北か北東しかない → しかしその方向は、海の中道(地図)にさえぎられている → しかたなく海の中道の南縁に沿って逃避回遊すると香椎川の河口(地図)に行き着く → 河口付近に魚が集中、さらに淡水に耐えられる魚は川を遡る。

つまり、警固断層帯南東部や海の中道で構成される博多湾の地形が、巨大な定置網のように作用して、魚を香椎川の河口付近に追い込んだというわけです。私の思いつきにすぎませんが ・・・


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フグの群れが川を遡る ― 福岡県福岡市


福岡県福岡市東区の住宅地を流れる香椎川を、数十匹のフグの群れが遡りました。体長20cmほどで、クサフグとみられています。目撃されたのは河口から830mほど上流(地図)で、JR鹿児島本線の香椎駅の近く。「30年以上ここに住んでいるけど、フグを見るのは初めてです」(近所に住む女性):

香椎川の河口付近には、先月、コノシロの大群が押し寄せています:

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2017年10月12日木曜日

霧島山の噴火と大地震


昨日(10月11日)、霧島山の新燃岳(地図)が噴火し始めましたが、霧島山が噴火した後に大きな地震が発生した事例がかなりあります。それらの地震のほとんどは、地理的に離れた場所で起きたもので偶然と考えるべきなのでしょうが、中には地理的・時間的に接近した地震もあります。

以下は主な事例です(「噴火」欄の括弧内は噴火場所です):

霧島山の噴火 地震
1706年12月15日 (御鉢) 1707年10月28日 『宝永地震』 M8.6、12月16日 富士山の宝永大噴火始まる
1891年6月19日(御鉢) 10月28日 『濃尾地震』 M8.0 (日本の内陸地震として最大)
1894年2月25、26、28日 (御鉢)6月20日 『東京地震』 M7.0
1899年7月28日、9月12日、10月13日、11月7日 (御鉢) 11月25日 宮崎県沖 M7.1+M6.9
1914年1月8日 (御鉢)1月12日 桜島の大正大噴火始まり、8時間後に『桜島地震』 M7.1
1923年7月11、15、16、20日 (御鉢) 9月1日 『関東地震』(関東大震災) M7.9
2011年1月19日~9月上旬 (新燃岳) 3月11日 『東北地方太平洋沖地震』 (東日本大震災) M9.0
2017年10月11日~(新燃岳)


別の火山にも大地震との関係をうかがわせる事例があります。霧島山と同じく九州にある雲仙岳(地図)は、1990年11月から噴火し始め、溶岩ドームの成長・崩落・火砕流の発生を繰り返しました。この状態が数年間にわたって続いていたのですが、1995年1月17日に兵庫県南部地震(M7.3、阪神・淡路大震災)が発生すると、「1月下旬から地下からの溶岩の供給による溶岩ドームの変化がなくなる。2月11日を最後に火砕流がなくなる。ドーム直下の地震も2月から急減。1991年からの一連の溶岩噴出は停止」しました(引用部分は気象庁「雲仙岳 有史以降の火山活動」より)。


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小惑星 2012 TC4 が地球衝突コースに (続報-13)


天球上を移動する小惑星 2012 TC4 の動画は、コロンビアで撮影されたものを「続報-11」で紹介しましたが、こちらは東京大学木曽観測所が撮影した動画です。前者よりもノイズが少なく、2012 TC4 の明るさが自転のためか周期的に変化しているのがわかります:

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小惑星 2012 TC4 が地球衝突コースに (続報-12)


小惑星 2012 TC4 の接近予報が10月11日付で更新されています:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
km
2012 TC412~27

10月12日 14:42
±00:01
 50150.5 (mimimum)
 50151.6 (nominal)
 50152.6 (maximum)

キロメートルで表した接近距離で、maximun と minimum の差が、前回の予報の 3km からさらに狭まって今回は 2km となりました。

LD(1LD=地球から月までの平均距離)で表した接近距離は minimum から maximum まで 0.1305 で差がありません。

その他の情報(接近時刻、地球との相対速度など)に変更はありません。


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小惑星 2012 TC4 が地球衝突コースに (続報-11)


小惑星 2012 TC4 の最接近まであと数時間になりました。以下は、昨日(10月11日)、コロンビアで撮影された 2012 TC4 の動画です。ノイズが多くてわかりにくいかも知れませんが、2012 TC4 は、画面の上辺で右端から4分の1ほどのところにある明るい星の側に現れ、左下方向に移動していきます。視野内に入ってから出ていくまでに実際にかかった時間は1時間34分です:

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2017年10月11日水曜日

小惑星 2012 TC4 が地球衝突コースに (続報-10)


小惑星 2012 TC4 の接近予報が10月10日付で更新されています。おそらく、これが接近前の最後の予報になると思われます:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
km
2012 TC412~27

10月12日 14:42
±00:01
 50150.0 (mimimum)
 50151.6 (nominal)
 50153.2 (maximum)

キロメートルで表した接近距離で、maximun と minimum の差が、前回の予報の 12km からさらに狭まって今回は 3km となりました。

LD(1LD=地球から月までの平均距離)で表した接近距離は minimum から maximum まで 0.1305 で差がありません。

その他の情報(接近時刻、地球との相対速度など)に変更はありません。


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霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルを3に引き上げ


10月11日朝5時34分に噴火した霧島連山・新燃岳(地図)の噴火警戒レベルが、11時05分に「2(火口周辺規制)」から「3(入山規制)」に引上げられました。「火山性微動も継続しており、振幅も次第に大きくなっています。地殻変動観測では、新燃岳の山体が膨張する傾斜変動が続いています」:

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白山で地震増加


白山(地図)で、10月10日22時03分に山頂付近の深さ3km 付近を震源とするM2.3(速報値)の地震が発生しました。その後、翌11日05時ごろにかけて地震が増加し、10日22時から11日08時までの回数は108回(速報値)に達しました。11日05時以降は減少。火山性微動は観測されていません:

24時間の地震回数が100回を超えたのは2014年12月16日の167 回以来で、この時の最大は規模はM3.4でした。

焼山に続いて白山も。八ヶ岳南麓天文台の串田氏が予測する No.1778前兆群 との関連が気になるところです:

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霧島山(新燃岳)が噴火


10月11日午前5時34分、霧島連山の新燃岳(地図)が噴火し、噴煙が火口縁上300mまで上昇しました:

噴煙は日中は東へ流れ、その後は北へと方向を変えると予報されています。(降灰の到達範囲は「噴煙が火口縁上1000mまで上がった場合を想定」を想定):

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2017年10月10日火曜日

霧島山(新燃岳)で火山性微動と傾斜変動


霧島連山・新燃岳(地図)では、9月23日ごろから火山性地震が増加し、10月5日に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられていましたが、10月9日13時ごろからは火山性微動も時々発生するようになっています。9日15時12分ごろから同53分ごろまで継続した火山性微動では傾斜変動も観測されました。9日22時過ぎに発生した火山性微動は10日17時現在も継続中とのこと:

10月10日に実施された航空機からの観測では、9月28日の観測と比べて、火口内の噴煙が明らかに増加し、高さ400mまで上がっていたとのことです。


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