2016年4月2日土曜日

三重県南東沖地震


防災科学技術研究所
AQUAシステム
メカニズム解カタログ
より
4月1日午前11時39分ごろに発生した三重県南東沖地震は、気象庁の速報値でM6.1、深さ約10km、防災科学技術研究所のAQUAシステムのデータではMw5.9、深さ13kmとなっています。南海トラフ巨大地震の想定震源域のプレート境界付近で起きた逆断層型の地震とされています。

以下はTSEISを使って描いた4月1日00:00~24:00の震源域の様子です。TSEISでは日にち単位の指定しかできないので余震なのか前震なのかはわかりませんが、本震の震源から特定の方向(水平成分はフィリピン海プレートのスリップ・ベクトルの方向)に微小地震の震源群が伸びています。TSEISは気象庁の速報値を精査した結果である暫定値を使っていると思われますが、図で見るかぎり本震の震源の深さは20kmよりも深いようです:

(クリックで拡大)

震源分布図の作成には地震活動解析システム(TSEIS)を使用しました。TSEISは気象庁により決定された地震カタログを使用しています。同システムについては以下を参照してください:
  • 鶴岡 弘. WWWを用いた地震情報検索・解析システムの開発.情報処理学会研究報告;データベースシステム115-9, 情報学基礎 49-9, 65-70 (1998)

今回の地震が南海トラフ巨大地震に結びつくことがあるのでしょうか。気象庁は「巨大地震との関連性は分からない」と言いながらも「大地震を誘発することはない」としています。

「規模は比較的小さく、直接的には大地震を誘発することはない」(気象庁)、「一定規模の地震が起きた後に巨大地震が起きる傾向があり (中略) 東日本大震災の2日前にも、三陸沖でM7・3の地震が発生している」、「さらに大きな地震の引き金になる可能性はゼロと言い切れない」(梅田康弘・京都大名誉教授):