2015年3月31日火曜日

小惑星バッカスが地球に接近中


小惑星〝2063 Bacchus〟(バッカス、または、バックス; ローマ神話における酒の神)が地球に近づいています。最も近づくのは4月8日午前4時13分(日本時間)。最接近時の距離は76.0LD(1LD=地球から月までの平均距離)で、地球との相対速度は比較的速く、秒速16.1km(時速約5万8000km)です。

バッカスの大きさは 2.6×1.1×1.1 km、質量は 3.3×1012kg と推定されています。

Credit: Osamu Ajiki (AstroArts), Ron Baalke (JPL)

このブログでは、原則として小惑星が地球に 2.0LD 以内に近づく時に記事にしています。この制限を緩めると数が多すぎて書ききれないからですが、バッカスは地球に近づく小惑星としては大きい部類に入るので例外的に取り上げました。

バッカスはアポロ群に属していますが、この群の最大の小惑星は〝1866 Sisyphus〟(シシュフォス)です。推定直径10km前後とされ、その公転軌道が地球の公転軌道と交叉する小惑星としても最大です。約6500万年前に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星もほぼ同じ大きさだったと考えられています。シシュフォスが次に地球に近づくのは、2019年6月14日です。

なお、直径2.1km程度と推定される小惑星〝5381 Sekhmet〟(セクメト)も地球に近づいてきており、5月23日に地球から62.8LDのところを通過します。セクメトは古代エジプトの女神で、太陽神ラーが、自分を崇めない人間を殺戮させるために地上に送ったとされています。


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2015年3月30日月曜日

地震・事故「大いに見ゆ」 ― 千栗八幡宮


佐賀県みやき町の千栗八幡宮(ちりくはちまんぐう、地図)で3月15日に行われた「お粥試し」で、地震・事故が「大いに見ゆ」との結果がでたそうです。「お粥試し」は724年(神亀元年)から続くとされる伝統行事で、2005年には、行事の5日後にご託宣どおりに福岡県西方沖地震(M7.0、最大震度6弱)が発生し評判になりました:

今年の結果は、「福岡西方沖地震の2005年と同じような相が見られる」とのこと。

ちなみに、昨年の「お粥試し」でも地震について「大いに見ゆ」とのご託宣が出たのですが、この1年間に佐賀県内で最大震度3以上の揺れを感じたのは、8月29日に日向灘で発生した M6.0、最大震度4の地震のみでした(佐賀県内は震度3)。「お粥試し」の前日の3月14日には、伊予灘で M6.2、最大震度5強の地震が発生し、佐賀県内でも震度4の揺れを感じていたのですが。


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2015年3月28日土曜日

小惑星 2015 FM118 が地球接近


3月28日午前11時48分(日本時間)、小惑星〝2015 FM118〟が地球に 0.93LD(約35万6000km)まで接近します。

この小惑星は3月25日に発見されたもので、アポロ群に属し、直径は5~11mと推定されています。

最接近時の地球との相対速度は秒速8.8km(時速約3万2000km)と計算されています。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 FM118 5~11 3月28日 11:48 0.93

*: 1LD=地球から月までの平均距離


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2015年3月27日金曜日

口永良部島へ気象庁全国機動班を派遣


すでに活動している地域機動班に加えて、全国機動班を3月28日に気象庁本庁から派遣することになったとのことです。「班」といっても1名ですが:

気象庁は昨年の御嶽山噴火では「怠慢」を責められましたから、今回は迅速に、ということでしょうか。


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地震予知会社 ― Terra Seismic


地震予知情報を提供する Terra Seismic という会社を紹介する記事です:

同社は、人工衛星から得られるビッグ・データの使用と、衛星システムを通して地震発生前に大気の中に現れる異常などを監視することによって、最長30日前に大地震が発生する場所を特定できるとし、予知実績の例として2014年にメキシコ・ゲレーロ州で発生した M7.2 の地震(USGS資料)と、チリ・タラパカ州で発生した M8.2 の地震(USGS資料)をあげています。

同社の社長は 「弊社の技術は2004年から2015年にかけての試験で成功を収め、弊社のシステムは過去10年間に発生した重大な地震の約90%を検知しています。大地震は予報可能になりつつあります。これは新しい時代であり、今までにない現実なのです」 と語っています。

上記記事に掲載されている衛星写真に写っているのは、雲の中に現れたV-字形(あるいは「く」の字形)の裂け目で、同社は "earthquake canyon"(地震の谷間)と呼んでいます。おそらく2011年8月に米国バージニア州で発生した M5.8 の地震の前に撮影されたものです:

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アップルライズ ― まっ赤なリンゴが昇る


3月24日に三重県志摩市阿児町志島(地図)の海岸から撮影された日の出です:

撮影時刻は5時55分(Go, go, go!)。アップル社のロゴマークのようにも見えます。翌25日には、同社が横浜市に大規模な技術開発拠点を建設することが発表されました。この日の出は同社にとって吉兆でしょうか:

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2015年3月26日木曜日

口永良部島に新たな熱異常域


口永良部島(地図)では、3月25日におこなわれた上空からの観測で、(1) 新岳火口西側部分の熱異常域内で、昨年12月18日に比べて温度の上昇が認められ、(2) 火口内に新たな熱異常域が確認された、とのことです:

火山ガスの放出量が多い状態が続いており、火山性地震も先月より増加。また、山腹に伸びの傾向が見られるなど、「今後、爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火に移行する可能性」があるとのことです。


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口永良部島で初の火映現象


活発な火山活動が続いている口永良部島(地図)の新岳で、3月24日夜から25日明け方にかけて、観測開始(2004年3月)以降で初めての火映現象が観測されました:

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2015年3月24日火曜日

月は地球の周りを回っていない


あまり知られていませんが、実は月は地球の周りを回っていないのです !?

地球の周りの月の軌道速度(約1km/s)は、太陽の周りの地球の軌道速度(約30km/s)に比べて非常に遅いので、「太陽の周りの月の軌道経路は常に外に凸である」():

わかりにくいかも知れませんので、以下の簡易型天体力学シミュレーターで「常に外に凸である」ことを実感してください:

画面右上の "Select Preset" で "Sun, Planet, Moon" を選択して "Start" ボタンをクリックしてください。シミュレーションが始まります。黄色、ピンク、青の円が、それぞれ太陽、地球、月に相当します。

高性能のパソコンをご使用の方は、レバーを左側の "accurate" 側に動かしてみてください。シミュレーションの動作は遅くなりますが、より精確な結果が得られます。

"Show Traces" のチェックを外すと、月は地球の周りを回っているように見えるのですが、"Show Traces" をチェックするとそれが錯覚であることがわかります。

図の下の方にある各天体の質量や初期速度の数値は自由に変更することができます。色々な数値で試してみてください。天体の初期座標や初期速度は、天体や矢印をマウスでドラッグすることによっても変更できます。


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小惑星「平安京」


1992年に滋賀県内の民間天文台で発見された直径数十kmの小惑星が「平安京」と命名されました:

Credit: Osamu Ajiki (AstroArts), Ron Baalke (JPL)

NASA/JPLの小天体データベースには "7023 Heiankyo (1992 KE)" と記載されていますが、同時に "1992 KE = 1977 NL = 1980 EL1" とも書かれていますので、1992年以前にも「発見」されていたようです。さらに、軌道を確定するために使用した観測データの最も古いものは "1955-11-24" となっていますので、過去の写真乾板などにその姿が映っていたにも関わらず、気づかれずにいたものと思われます。

上記の小天体データベースには、"Heiankyo" の説明が付記されています:
7023 Heiankyo    Discovered 1992 May 25 by A. Sugie at Dynic.

Heiankyo, meaning 'Peaceful Capital', is another name of Kyoto. From 794 to 1868 it was the capital of Japan, and the center of Japanese culture.

彗星には原則として発見者の個人名が付与される(例外は中国で発見された彗星)のに対して、小惑星では発見者もしくは発見した団体に命名権が与えられるので、小惑星の名前には様々なバリエーションがあります。発見者が自分の配偶者や娘の名前をつけたり、恩師など尊敬する人物の名前をつけたりすることもあります:

日本の小惑星探査機「はやぶさ」が訪れたことで有名になった小惑星イトカワは、日本のロケット工学の先駆者・糸川英夫氏に因むものですが、「はやぶさ」のプロジェクト・マネージャーだった川口 淳一郎氏もすでに小惑星の名前になっています。

私が好きなのは小惑星番号9000番につけられた "HAL" という名前です。言うまでもなく、映画『2001年宇宙の旅』に登場したコンピューター "HAL9000" に因むものです。

私の知人の名前も小惑星につけられています。仲間内では「まだ若いのに星になってしまった○○君」とか「天から私たちを見守っていてくださいね」などと冷やかしています。


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2015年3月23日月曜日

大震災前に地下水の水位や温度が低下


東日本大震災(東北地方太平洋沖地震、2011年3月11日、M9.0)の前に、複数の井戸で水位の低下や水温の低下がみられたとのことです:

記事に書かれている水位や水温の低下をまとめると以下のようになります:

井戸 現象
正源寺 (岩手県大船渡市) 地震発生の約1カ月前から水がくみ上げられなくなった
五葉温泉 (岩手県大船渡市) 源泉井戸(深さ約2㎞)で2010年12月から発生直前まで水位が最大16m、水温が1~2℃低下
宮城県仙台市 2011年1月から水位が約60cm低下
宮城県多賀城市 2010年12月から水位が約1m低下


以下はこのブログで過去に取り上げた現象です。東北地方太平洋沖地震の前には日本各地で温泉や地下水に異変が起きていました。実際に地震と関連があるか不明ですが:

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ユウレイイカ、サケガシラ、ラブカ ・・・


このブログの更新が滞りがちになっている間に溜め込んだ深海魚捕獲のニュースをまとめて紹介します。一部は本来の棲息域の水深で捕獲されたもので、宏観異常とは言えないかも知れません:

▼ 2月24日 ユウレイイカ 駿河湾?

▼ 3月7日 サケガシラ 秋田県にかほ市

▼ 3月7日 サケガシラ あるいは テンガイハタ 沖縄県久米島町

▼ 3月8日 リュウグウノツカイ 長崎県長崎市 (既報)

▼ 3月10日 ラブカ 駿河湾

▼ 3月14日 ホンフサアンコウ 和歌山県白浜町

▼ 3月18日 オンデンザメ 駿河湾

以下の記事には、深海魚以外の魚類に見られる異常も記載されています:

なお、3月7日に沖縄県の久米島でサケガシラあるいはテンガイハタの幼魚が捕獲されて以降に、周辺で発生した有感地震は以下のとおりです:

日付 震央 M 最大震度
3月12日 奄美大島近海 3.1 1
3月13日 西表島付近 2.8 1
3月13日 西表島付近 4.5 3
3月14日 宮古島近海 4.4 3
3月16日 沖縄本島近海 4.5 3
3月17日 石垣島近海 3.2 1
3月17日 与那国島近海 3.6 1
3月20日 与那国島近海 4.4 1


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2015年3月22日日曜日

3つの小惑星が地球接近


3つの小惑星が相次いで地球のそばを通り過ぎて行きました:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD
2015 EX 30 3月9日 01:17 1.44
2015 ET 20 3月11日 01:42 0.33
2015 EO6 5 3月12日 09:31 0.28
*: 1LD=地球から月までの平均距離

〝2015 EX〟は、地球に接近した後、3月9日10:22(日本時間)に月にも 1.04LD(約40万1000km)まで近づきました。


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2015年3月20日金曜日

吾妻山に新たな融雪域と噴気


吾妻山(地図)で新たな融雪域と噴気が確認されました。場所は大穴火口の北西側。出現したのは3月8日から16日の間とみられていますが、天候不良が続いていたため、正確な出現時期はわかっていません。1月14日にも、今回とは別の融雪域が見つかっています:

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2015年3月12日木曜日

警察官と消防士が聞いた謎の声


3月7日に米国ユタ州ソルトレーク市(地図)郊外で発生した交通事故。母親と生後18ヶ月になる女児を乗せた車が川に転落、車はひっくり返って水に浸かる状態に。

発見されたのは事故から約13時間後。

現場に駆けつけた3人の警察官と2人の消防士が「助けて」という明らかに大人の声を聞いたと証言。ところが、運転していた母親は、その外傷の大きさから事故直後に死亡していたみられるとのこと。いったい誰の声だったのか:

警察官や消防士たちは「声」に促されるようにして車を川から引きあげ、初めて後部座席に女児がいて生存していることを発見。川の水は極めて冷たく、救助関係者でも短時間しか入っていられないほどだったとのこと。

水深が浅く、車が上下逆の状態になっていたため、チャイルドシートに固定されていた女児の所まで水が達しなかったこと、低温で仮死状態になっていたこと、などが生存できた理由ではないかと考えられています。


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2015年3月11日水曜日

〝San Andreas〟 カリフォルニア壊滅


カリフォルニア大地震を描いた映画〝San Andreas〟が5月末に米国で公開されます。以下は、その予告篇です:

上記予告篇には金門橋を飲み込むような大津波のシーンがあります。サンアンドレアス断層は陸上の断層系ですので、題名の通りにサンアンドレアス断層で大地震が発生するという設定だとしたら、変です。

また、サンアンドレアス断層と同期して海域の断層も動くという筋書きだとしても、やはり変です。カリフォルニア沖には、大津波を発生させるようなプレートの沈み込み帯がないので。


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2015年3月10日火曜日

えびの高原で火山性地震増加


霧島連山えびの高原の硫黄山(地図)周辺で、3月6日から7日にかけて、火山性地震が増加したとのことです:

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2015年3月9日月曜日

リュウグウノツカイ捕獲 ― 長崎県長崎市


3月8日、長崎県長崎市蚊焼町(地図)沖の定置網に、深海魚のリュウグウノツカイが入っているのが見つかりました。生きており、体長は約3.3m。体に損傷はなく、ほぼ完全な状態とのことです:

以下は、長崎県内でのリュウグウノツカイ捕獲事例です。去年の同じ日(3月8日)に、平戸市でもリュウグウノツカイが定置網に入っているのが見つかっています:

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2015年3月8日日曜日

市街地にシカ11頭 ― 岩手県釜石市


3月6日朝、岩手県釜石市(地図)の中心部にニホンジカ11頭が現れました。「近くの河川敷から親子らしい2頭がくることはよくあるが、これだけの大所帯は珍しい」:

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2015年3月7日土曜日

野生のパンダが市街地を徘徊 ― 中国・四川省


3月5日早朝、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川県Yingxiu(地図)の市街地に野生のパンダが現れ、道路を歩く姿が監視カメラに捉えられました。汶川県は、2008年に発生した四川大地震(M8.0)の震央となったところです:

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桜島山体膨張、姶良カルデラも膨張


下の図は、気象庁が3月6日に発表した「平成27年 No.10 週間火山概況 (平成27年2月27日~3月5日)」に掲載されているものです。今年1月1日ごろから桜島の山体膨張が大きくなっていることを示しています:

桜島 有村観測坑道の傾斜変動と伸縮変動(2014年12月1日~ 2015年3月5日)
Credit: 気象庁

桜島と鹿児島湾を包含する巨大カルデラである姶良カルデラも、今年1月ごろから膨張を再開しています。以下は、気象庁が毎週発表している「週間火山概況」から抜き出した姶良カルデラに関する記述ですが、徐々に変化しています:
  • 平成27年 No.01 週間火山概況 (平成26年12月26日~平成27年1月1日)

  • 「姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の膨張を示す伸びの傾向は、2013年6月頃から停滞していますが、長期的には膨張が進行してきており、(後略)」

  • 平成27年 No.06 週間火山概況 (平成27年1月30日~2月5日)

  • 「姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の膨張を示す伸びの傾向は、2013年6月頃から停滞していますが、長期的には膨張が進行しており、(後略)」

  • 平成27年 No.09 週間火山概況 (平成27年2月20日~2月26日)

  • 「姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の膨張を示す伸びの傾向は、2013年6月頃から停滞していましたが、2015年1月から伸びの傾向を示しています。」


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2015年3月6日金曜日

伊豆大島近海で地震連続


3月6日昼過ぎから、伊豆大島(地図)西方の海域で地震が連続しています。有感地震は16時30分までに7回、最大震度は3です:

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宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-20)


3月3日付「宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-19)」の続報です。

高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の表が、3月5日付で変更されています。2日付の更新では、2月分の異常報告件数は2件でしたが、3件に修正されています。3件とも「気象現象」に関するものです:

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真冬にシマヘビ出現 ― 愛媛県南予地方


1月中旬、南予地方(愛媛県南部)でシマヘビが目撃されたとのことです。「道ばたで、ヘビがひなたぼっこをしちょる」、「餌の少ない時期のこうした異常行動の結果、春を前に死んでしまう可能性もある」:

上記記事は、シマヘビの出現を条件反射的に気候変動と結びつけているようです。しかし、寒い時期に冬眠中であるはずのヘビ類が這い出してくるのは、地震の前兆ということも考えられます。中国ではそのような事例が多数報告されています。

愛媛県南予地方を震源とする有感地震は、昨年は1年間で1件であったものが、今年はすでに3件発生しています:

日付 M 最大震度
1月3日 3.3 1
1月中旬 シマヘビ目撃 - -
2月3日 4.0 3
3月5日 3.2 1

ちなみに、1月3日は満月の2日前、2月3日と3月5日は満月の1日前です。


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2015年3月5日木曜日

崩壊した彗星 C/2015 D1


2月19日、彗星〝C/2015 D1〟(SOHO-2875)が太陽を掠めるようにして近日点を通過し、太陽の熱や重力によって彗星の核が崩壊しました。その後、崩壊した同彗星の残滓が輝きながら太陽から遠ざかっていく様子が各地で観測されました。

以下の画像は、2月28日にオーストリアの天体写真家によって撮影されたものです:

〝C/2015 D1〟は既知のどの群にも属していない特異な彗星です。


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2015年3月4日水曜日

東北電力 vs. 東京電力


東京大学・ゲラー教授(地震学)のツイートから:


なお、東北電力の論文は、リンク先では「公開日 2010/03/11」となっていますが、これは電子媒体での公開日です。学会誌「地震」に掲載されたのは1990年のことだそうです。

東北地方太平洋沖地震の震央から女川原発までは123km、福島第一原発までは178km。女川の方が震央にはるかに近く、地殻変動も大きかったにも関わらず・・・

今もぬくぬくと暮らしている東京電力の当時の幹部、少なくとも会長と社長は畳の上で安らかに死ぬようなことがあってはならないと思います。泥まみれ、放射能まみれになって、のたうち回るような死に方でないと被災者は納得できないのではないでしょうか。


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2015年3月3日火曜日

3・11直前と似てきた?


東北地方太平洋沖地震後、その震源域の北側と南側に歪が集中。北側の歪は、2月17日に岩手県沖で発生した2つの地震(M6.9とM5.7)によって多少なりとも発散。「一方、南側の房総沖では大きな地震はこのところ起きていません。(中略)ここで大きな地震が生じて、首都圏に被害が及ぶ可能性が高まっているのです」:

地下水温の上昇も気になります。「新潟県阿賀野市の出湯温泉というところで、(中略)3・11の前には、普通では考えられない水温の急上昇があり、その後、地震が起こりました。そして最近、また気味の悪い動きがあります。ずっと停滞していた水温が、急上昇したのです。」

地下水や温泉の異常については、以下の記事とその関連記事をご覧ください:

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南海巨大地震は2038年 ?


京都大学元総長の尾池和夫氏の新著です。「あえて目立つタイトルにした。大いに戸惑い、物議を醸し、議論をしてその日に備えてほしい」とおっしゃっています。売らんかなの下心が見えるようですし、この種の本としては値段も高めです:

アマゾンの「内容紹介」には次のように書かれています:
南海トラフに起こる次の大規模な地震は、2038年頃になると予測されている。このような長期予測が巨大地震について公表されている実例は、今のところ一つだけで、そのような地域は世界的に見ても珍しい、というよりも、他にはない。この本の第一部では、そのような予測の内容とその根拠を示して、南海トラフの巨大地震の震災、とくに津波災害に備える必要のある方々に参考にしていただきたい。第二部には、高知新聞の「視点」の欄に、2002年4月から、2014年10月まで、63回にわたって連載されたエッセイを再録した。

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宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-19)


高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の表が、3月2日に更新されています。2月分の異常報告件数は2件でした。2件とも「気象現象」に関するものでした:

先月の記事で「2月6日に隣の徳島県南部を震源とする震度5強、M5.0の地震がありましたが、来月公表される2月分の集計に直前前兆の類いが何か現れるでしょうか」と書きました。この地震に今回の2件の異常報告が関連しているか否かは、現象の発生日時や場所などが公表されていないので残念ながら判断できません。


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2015年3月2日月曜日

プレートテクトニクス 2.0 ― プレートは固くない (その2)


2月24日付「プレートテクトニクス 2.0 ― プレートは固くない (その1)」からの続きです。

テキトー訳の続きです:
プレートの冷却は海洋が深くなることの原因であるが、プレートの水平方向の動きにも影響を与えており、冷却によってプレートには短縮や変形が起きているというのが Gordon の考えである。

プレートテクトニクスのジグソーパズルにおいて、ある部分が、中央海嶺からの海洋底拡大の速度にもとづく最新のプレート運動のモデルが示す場所にピタリと当てはまらないのはなぜか。その理由がプレートの変形によって説明できることを示すために、Gordon と Kreemer は自分たちの考えと専門的知識を持ち寄って協力した。

さらに、2人は、プレートが変形すると予測される場所とプレート内地震が発生する場所の間に正の相関があることも示した。

2人の研究は、全米科学財団からの資金援助を得ている。

この研究成果は、プレート規模の水平方向の熱収縮は顕著であり、それによる歪の一部は地震によって解放されていることを示唆している。2人の研究者は、俗に言うように、「教科書を書き換えている」のである。

「これはプレートテクトニクス 2.0 なんです。プレートは固いという概念に革命をもたらすものです」とネバダ大学の理学部で教鞭を執る Kreemer は語る。「私たちは、太平洋プレートが変形し柔軟であることを示しました。私たちはプレートテクトニクス理論を精緻化し、(プレート境界ではない)プレート内の地震活動に対する説明をもたらしたのです。」

(続く)

Holuhraun溶岩原の噴火が終息 ― アイスランド


14年11月16日付「Holuhraun溶岩原で噴火 ― アイスランド (続報-3)」の続報です。

昨年8月末に始まり、6ヵ月間にわたって継続したHoluhraun溶岩原の割れ目噴火が終息した、とアイスランド気象庁が2月28日に発表しました:

噴火によって流出した溶岩は85km²に広がり、厚さは最大40m、平均10~14mで、総量は1.4km³(東京ドーム1130杯分)。噴火と同時進行したバゥルザルブンガ・カルデラ(地図)の沈降は少なくとも61m、体積にして1.7~1.8km³に達しました。

火山ガスの放出は依然として継続しており、ヴァトナヨークトル氷河(地図)北部に設定されている立ち入り禁止区域は当面維持されるとのことです。


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