2014年11月16日日曜日

Holuhraun溶岩原で噴火 ― アイスランド (続報-3)


9月19日付「Holuhraun溶岩原で噴火 ― アイスランド (続報-2)」の続報です。

8月29日に始まったHoluhraun溶岩原(地図)での割れ目噴火は、衰えることなく続いています。溶岩湖が形成され、そこから流れ出した溶岩は約70km2に広がっています。東京の山手線の内側の面積が63km2ですから、すでにそれを上まわっています。ちなみに、日本の西之島は噴火開始から1年が経過しましたが、現在の面積は1.85km2です(資料)。

ヴァトナヨークトル氷河(地図)の下に埋もれたバゥルザルブンガ・カルデラ(地図)では強い地震が続いており、11月10日にはM5.2の地震が発生しました。同カルデラの沈降も依然として続いています(この沈降量と溶岩源での溶岩流出量はほぼバランスしているとのことです):

以下は、ヘリコプターから撮影した噴火の様子です。溶岩湖の中で、大量の溶岩がたぎっている様子が分かります。2分13秒目以降の映像では、雪原に広がった溶岩原の広さを実感できます。時折、他のヘリコプターが画面に入ってくるので、それと比較して溶岩湖の大きさや溶岩源の広さの見当がつきます:

噴火によって放出された亜硫酸ガス(二酸化硫黄ガス、SO2)などによって、アイスランド各地に降る雪や雨が汚染され、酸性(pH3前後)になっています。通常、pH5.6以下を酸性雨と呼ぶのでかなり強い酸性と言えます。アイスランド南東部では、突然死んだように見えるネズミの死骸が大量に見つかっています。火山ガスを吸入したか、汚染された食物を摂取したことが原因とみられていますが、はっきりしたことは分かっていません:

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