2014年10月22日水曜日

御嶽山噴火の前兆を捉えていた ― 八ヶ岳南麓天文台


10月22日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-39)」の補足です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が10月21日付で出した更新情報の最後には、「火山前兆」についての記述があります:

以下にまとめます:
  • 火山前兆は、通常の地震前兆とはまったく異なるパターンなので、容易に識別できる。

  • 火山前兆の出現が1日のみの場合や弱い場合には、火山帯で弱い群発地震や複数の小規模地震などが発生する。

  • 火山前兆が複数の観測点に同時期に出現する場合は、ある程度大きな規模の地震活動や顕著な群発地震が発生する。

  • 火山前兆が複数の観測点に同時期に、数日間にわたって出現する場合は、噴火活動に至る。

  • 弱点は、経験則の蓄積が十分でなく、火山の特定には成功していないこと。現状は、全観測点のうち八ヶ岳南麓の前兆が一番顕著であれば八ヶ岳に近い本州の火山、秋田観測点の前兆が一番顕著であれば東北から北海道にかけての火山といえる程度。

  • 9月7日から、複数の観測点(八ヶ岳、高知、秋田)のデータに火山前兆が出現。八ヶ岳南麓のデータに出現した変動が一番顕著。変動のピークは9月11日。その16日後の9月27日、御嶽山が水蒸気噴火した。御嶽山の噴火が、前兆に対応する火山活動だった可能性がある。

  • 通常、火山活動が始まると前兆は終息する。しかし、御嶽山噴火後も火山前兆が出現していたため、火山活動がしばらく継続する可能性を指摘した。

  • 予知が困難であるとされる水蒸気噴火でも顕著な火山前兆が現れている。

  • 気象庁の火山性微動や火山性地震の観測データと合わせて検討すれば、将来は火山を特定できる可能性がある。

火山前兆について詳しいことは、上記更新情報の6ページ目(No.074)後半から7ページ目(No.075)にある記述やグラフをご覧ください。

御嶽山では、噴火前の9月10日昼ごろから火山性地震が増加し、翌11日に地震回数がピークに達しています。八ヶ岳南麓で観測された火山前兆のピークと一致している点は注目に値します:

八ヶ岳南麓天文台は、御嶽山の真東約80kmのところにあります(地図)。


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