2013年11月30日土曜日

小惑星 2013 WH25 が地球に接近


11月29日午前9時52分(日本時間)、小惑星〝2013 WH25〟が地球に接近し、月の軌道の内側に入ってきました。この小惑星は前日の28日に発見されたばかりで、直径約5mと推定されています。接近時の地球との相対速度は秒速約21kmです。

小惑星 直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(*)
2013 WH25 5 11月29日 09:52 0.35
*: 地球から月までの平均距離=1

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アイソン彗星は生きていた!


太陽に大接近した際に分解・蒸発したと考えられていたアイソン彗星ですが、少なくとも核の一部は生き残っているようです。

以下のページのGIF動画は、NASAとESAが共同で打ち上げた太陽観測探査機SOHOの撮影したものですが、太陽最接近を終え遮光板(黒い円)から姿を現したアイソン彗星が写っています:

以下の動画には、生き延びたアイソン彗星の姿がもう少し長く写っています:

以下は Ian Musgrave 氏の〝Astroblog〟に掲載されているGIF動画です。この映像では、太陽に最接近したあとのアイソン彗星に何か大きな変化が起きているように見えます:

遮光板(黒い円)の中に描かれている白い円は、太陽の大きさと位置を示しています。

今後、アイソン彗星がどのくらい明るさを回復するのかは不明です。


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2013年11月29日金曜日

富士山頂から何かが出ている?


富士山の頂上から何かが出ているように見える写真を2つ紹介します。いずれの記事も、写真をクリックすると拡大します:

東北地方太平洋沖地震が大陸に波及?


中国・吉林省松原市(地図)で10月末から大きめの地震が続いています。10月31日にはM5.5とM5.0の地震が 7分間隔で発生し、55棟が倒壊、4120棟が破損、1万4420人が避難する被害となっています。11月4日にはM4.2の地震が発生し、母子2人が死亡しました。さらに、11月23日から24日にかけてM5クラスの地震が3回発生し、310戸が全壊、1万6000戸が大規模損壊、4万戸が半壊、26万戸に被害が出ています。3回の地震はいずれも震度5前後であったと報道されていますが、この震度が改正メルカリ震度階級によるものだとすると「やや強い」揺れであったことになります。

国家地震台網センターの専門家は、「東日本大震災が発生した後、太平洋プレートのユーラシアプレートへの潜り込みが強くなっていることが、中国東北部の地震活動を活発にしている」と指摘しています:

吉林省松原市以外にも、ロシアと北朝鮮の国境付近でも同様の規模の地震が発生しています。どちらの震源も、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の震源を起点にして太平洋プレートのスリップベクトルを延長した先にあります。

太平洋プレートの沈み込みが加速していることについては、下記の記事も参照してください:

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アイソン彗星消滅


残念なお知らせです。日本時間の11月29日早朝、アイソン彗星は近日点を通過しましたが、その後の観測では予報位置に姿を現していません。太陽表面に百数十万キロメートルまで近づいたため、分解・蒸発したとみられています。12月の夜空を飾る「世紀の大彗星」は見られないことになりました。

NASA や ESA は SOHO、STEREO、SDO などの太陽観測用探査機でアイソン彗星の太陽接近を観測していました。以下のページにはそれらの探査機が撮影した映像をまとめた動画があります。開始から33秒目以降には、近日点通過直後のアイソン彗星の断末魔が写っています。静止画の方には太陽通過後のアイソン彗星の予報位置(+印)が示されていますが、彗星の姿はありません:

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2013年11月28日木曜日

アイソン彗星の大きさ


アイソン彗星の本体(核)の大きさは約5km。核のまわりを取り囲んでボーッと輝いている部分(コマ)の直径は約10万km、そこから伸びる尾の長さは少なくとも800万kmに達しているとされています。それに対して地球の直径は約1万3000km。

この大きさの違いを比較した画像がありますので紹介します。アメリカの天文学者 Philip Cary Plait 博士のブログに掲載されているものです:

この画像のスケールでは、アイソン彗星の核は 1画素にも満たず、おおよそ細菌のサイズだということです。


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2013年11月27日水曜日

カナリア諸島上空のアイソン彗星


夜明け前の雲海から昇るアイソン彗星の YouTube 動画です。11月22日、カナリア諸島の Teide 天文台から撮影されました。全画面表示で見ることをお勧めします:

アイソン彗星が NASA の太陽観測探査機 STEREO-A の視野に完全に入ってきました。以下のページには YouTube 動画と GIF 動画があります。前者は 11月20日から25日にかけての彗星の動きを示しています。画面左から登場するのがアイソン彗星。その前を上から下に横切る光点はエンケ彗星です。画面の右外には太陽があります。後者は11月20日から22日にかけての映像で、両彗星の尾が太陽風によってたなびいている様子がよくわかります:

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西之島沖で噴火、新島誕生 (続報-3)


11月26日付「西之島沖で噴火、新島誕生 (続報-2)」の続報です。

海上保安庁が26日午後に実施した観測結果を発表しています。「約4分以下の間隔をおきながら噴火」、「2カ所の火口から東側及び南側に溶岩が流下している」、「噴火が水蒸気爆発の段階から、マグマ噴火の段階に移ってきている」:

噴火の間隔は、24日は「数秒から数十秒間隔」でしたが、26日は「約4分以下の間隔」となっており、頻度が下がっているようです。

上記の発表資料にも写真が掲載されていますが、以下はさらに鮮明な写真です:

その他の写真や海底地形図をご覧になりたい方は以下のページを参照してください:

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2013年11月26日火曜日

100%予知成功と豪語する「研究家」


面白い記事です。「たとえば “地震雲” です。雲の形といえば多種多様なものがある中でちょっと地震の前に変わった雲を見つけただけで “あれは予兆だったのだ” と言っているだけの話。何の客観性もない」:

記事末尾にある菊池聡氏(信州大学准教授)の言葉 「予知が外れた場合、『外れても、これをきっかけに防災意識を高めてくれたらそれで意味があった』というような発言が聞かれますが、・・・」 には思わず「ウン、ウン」と頷いてしまいました。地震予知のホームページや掲示板などで見かける言い訳ですが、常々腹立たしく思っていたので。


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南極大陸近海で大地震続く (続報)


11月18日付「南極大陸近海で大地震続く」の続報です。

南極大陸に近いスコシア海周辺で大きな地震が続いていますが、今度はスコシア海の北縁のトランスフォーム断層で M7.0 が発生しました:
  • 11月25日 15:27:33(日本時間) M7.0 深さ 10.0km 左横ずれ断層 大西洋南部 (震央地図

11月16日に起きた M6.8 と 17日に起きた M7.7(当初発表ではM7.8)の地震は、スコシア海の南の縁を形成するトランスフォーム断層で発生しました。


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西之島沖で噴火、新島誕生 (続報-2)


11月25日付「西之島沖で噴火、新島誕生 (続報)」の続報です。

気象庁が25日に発表し26日に修正した「西之島の火山活動解説資料」(PDF形式)には、24日の状況や写真が掲載されています。噴火は継続中で、溶岩流が海に到達しています。以下は、24日の状況の抜粋です:
  • 数秒から数十秒間隔で噴火を繰り返しており、噴煙と火山弾は上空 300-400m程度まで噴き上がり、火山弾が水平距離で約 500mまでの範囲に着水しているのが確認されました。

  • 火口の大きさは 10m程度と小さくなっており、頂部火口には小さな溶岩湖が形成されていると考えられます。

  • 島の北東側では海に約 50m突き出した溶岩地形が確認され、この北東部に突き出した部分は、21日頃から成長した溶岩流部分で、すでに先端の一部が波浪により浸食された可能性があります。

  • 南東側、南西側では、頂部付近から比較的滑らかな斜面が出現しており、斜面崩壊が起こったものと考えられます。

西之島の南約10㎞で21日に確認された変色水域は、22日の観測では確認できなかったとのことです。


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尾が伸びたアイソン彗星


あれよあれよという間に立派な尾が伸びて、彗星らしい彗星になってきたアイソン彗星(C/2012 S1)の写真をいくつか紹介します:

2枚目の写真には、尾の中に不均質な部分が写っています。太陽風の突発的な変化によって生じたものと思われます。


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2013年11月25日月曜日

太陽に近づくアイソン彗星とエンケ彗星


アイソン彗星が NASA の太陽観測探査機 ステレオ-A(STEREO=Solar Terrestrial Relations Observatory)の視野に入ってきました。ステレオは双子の探査機で、ステレオ-A は 346日、ステレオ-B は 388日で太陽を周回する軌道にのっており、太陽を同時に別々の方向から観測する使命を帯びています:

GIF動画で見るエンケ彗星は、まるで尾をくねらせながら卵子に向かって進む精子のようです。動画は11月20日から21日にかけて撮影されたもので、アイソン彗星はまだ尾の大半が視野の外にあります。画面右側から波のように押し寄せているのは太陽風です。水星と地球も写っています。


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西之島沖で噴火、新島誕生 (続報)


11月20日付「西之島沖で噴火、新島誕生」の続報です。

気象庁が11月22日付で「西之島の火山活動解説資料」(PDF形式)を発表しています。それによると西之島周辺で複数の変色水域が確認されています:
  1. 西之島の南側、新島付近から西へ約1,000m、東へ約1,500m、幅約700mで北側を西之島に接する茶色の変色水域
  2. 西之島西岸から新島の東約2,000m、幅約1,200mの緑色の変色水
  3. 西之島の南約10km に直径約1,000mの緑色の変色水域

特に3番目の変色水域は西之島からかなり離れています。西之島周辺で別の海底噴火が起きている可能性があります。

上記解説資料の末尾には、1973年に噴火によって出現した西之島新島が西之島と合体して現在に至るまでの変遷図があります。

1973年の西之島新島誕生後に起きた大きな地震には以下があります。1000km以上離れたところですので直接の因果関係があるとは考えにくいですが:
1974年5月9日 伊豆半島南方沖 『1974年伊豆半島沖地震』 M6.9: 伊豆半島南端に被害。死 30、傷 102、家屋全壊 134、半壊 240、全焼 5。御前崎などに小津波。
(『理科年表』(丸善)より引用)

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2013年11月21日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-26)


11月20日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-25)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を11月20日付で出しています:

内容は、ステージ6前兆群とステージ7前兆群の出現時期や極大時期を整理してまとめたものです。ここにまとめられた認識が正しければ、「第7ステージ前兆群は第6ステージ前兆群と同じ前兆期間約4ヶ月で、来年01月04日±時期を示します」とのことです。この時期に対応地震が起こるのか、あるいは、次のステージに遷移するのかは現時点ではわかりません。

串田氏がウェブで公開している情報は、著書『地震予報』(PHP新書、2012)の読者を想定して書かれているため、未読の方にはわかりにくいと思います。串田法を理解して公開情報を的確に理解するためにも一読をお勧めします。

串田氏がウェブで公開している情報は「長期前兆 No.1778」についてだけです。他の前兆については、対応地震の規模、震央、発生時期などの情報をファックスで会員に送付しています。

「長期前兆 No.1778」は2008年7月に始まったもので、5年を超える長期間にわたって盛衰を繰り返しながら継続しています。これほど長期間続く前兆は前例がなく、串田氏も苦慮している様子で、前兆群の認識や対応地震の発生時期について何度も修正や延期がおこなわれ「オオカミ少年」状態になっています。そのため、ウェブで公開されている「長期前兆No.1778」についての情報だけを目にする一般の方々には、串田法というのは何とも当てにならない手法だとの印象を持たれがちです。そのような疑念を持たれた方々にも上記『地震予報』をお読みいただきたいと思います。


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2013年11月20日水曜日

西之島沖で噴火、新島誕生


11月20日、小笠原諸島の西之島地図)について気象庁が警報を出しました。「本日(20日)10時20分頃、西之島周辺で噴煙が確認されました」、「本日16時頃、島の南東500メートル付近で、黒色噴煙を伴う噴火が確認され、直径約200メートルの新たな陸上部が認められました」:

近畿圏中心領域大型地震 (続報-25)


11月18日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-24)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を11月18日付で出しています:

内容をまとめると以下のとおりです:
  1. 11月18日夕方現在も前兆が継続中。したがって、近々に対応地震が発生する可能性は完全に否定できる。

  2. ステージ 6 前兆群の初現時期などを見直した。その結果、ステージ 6 前兆群が示す時期は11月7日±であったことが判明。したがってこの時期に新たに出現した顕著な PBF(基線の連続周期的なうねり変動)は、ステージ 7 前兆群の最初の極大と考えられる。

  3. ステージ 7 前兆群の先行特異、極大等から計算される対応地震発生時期は12月31日±4日。ただし、新たな極大が出現してずれる可能性もある。少なくとも、12月下旬までの発生の可能性は否定できる。

上記 2 について、串田氏は以下のような反省と謝罪の弁を記載しています:
こんなことがより初期の段階で認識できなかったことは、単純に小生の力量の無さによるもので、本当に申し訳なく存じます。心より深くお詫び申し上げます。本当に情けなくなります。どうかお許しください。

ちなみに来年1月1日は新月です。なぜかはわかりませんが、串田氏が算出する対応地震の発生時期や、ステージの切り替わり時期は新月や満月にあたることが多いようです。


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地球外生物?


2007年11月11日に水深 2386m の深海で撮影された画像です。まるで地球外生物のように見えますが、頭足綱ツツイカ目に属するイカの一種だそうです:

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2013年11月19日火曜日

来年3月までに南海トラフ巨大地震?


『週刊現代』の記事です。このブログの 5月20日付 《特許「地震・火山噴火予知方法」》 と7月26日付 《鹿児島県北西部にM6級地震の兆候》 で紹介した村井俊治・東大名誉教授の警告です:

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2013年11月18日月曜日

南極大陸近海で大地震続く


南極大陸に近い大西洋南部で大きな地震が続いています(日時は日本標準時):
  1. 10月25日 04:25:12 M6.7 深さ 21.6km 左横ずれ断層 サウス・サンドウィッチ諸島東方(震央地図
  2. 11月16日 12:34:31 M6.8 深さ 10.0km 左横ずれ断層 スコシア海 (震央地図
  3. 11月17日 18:04:55 M7.8 深さ 10.0km 左横ずれ断層 スコシア海 (震央地図

スコシア海(地図)の東端にはサウス・サンドウィッチ諸島が東に凸のU字形に並んでおり、さらにその東側に同諸島に沿うようにして南スコシア海溝が伸びています。この海溝の南北の端は、東西方向に伸びるトランスフォーム断層に変化しています。

南スコシア海溝は、大西洋に2つだけある沈み込み帯の1つで、大西洋側の海洋プレートがスコシア・プレートの下に沈み込んでいます。この海溝は、かつては今より西に位置していたのですが、徐々に東に移動したと考えられています。


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近畿圏中心領域大型地震 (続報-24)


11月15日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-23)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を11月17日付で出しています:

前兆が依然として継続中。したがって、「11月19日±2日」の地震発生予測は誤りであった、近々に対応地震が発生する可能性は極めて考え難い、とのことです:
現在を第6ステージ前兆群と認識して、前兆変化から11月19日±時期を示している可能性を考えて参りました。その場合、11月16日±又は11月17日±には前兆が終息することが計算され、最近の実験観測情報で、ほぼ毎日の様に前兆出現状況と様々な可能性を検討した内容をご報告して参りました。

最近の状況は、観測情報で報告のとおり、CH15-PBF出現の他、高知観測点や秋田観測点にも関連前兆が出現しております。

この状況を鑑みるに、近々に対応地震が発生する可能性は極めて考え難く、現在の第6ステージ前兆群の初現~極大等の関係認識が間違っている可能性が否めません。大変申し訳ありません。

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2013年11月17日日曜日

2つの彗星が水星に接近


11月18日、エンケ彗星(2P/Encke)が水星に 0.025天文単位(約374万km)まで近づきます。続いて翌19日、アイソン彗星(C/2012 S1 ISON)が水星に 0.24天文単位(約3590万km)まで近づきます:

NASAでは、水星を周回中の水星探査機〝メッセンジャー〟を使って、エンケ彗星に対して 15時間、アイソン彗星に対して 25時間の観測をおこなう予定です。

アイソン彗星が火星に接近したときに火星探査機が撮影した写真は期待はずれでした。当時は、アイソン彗星はまだ太陽から遠く離れていて尾があまり伸びていませんでしたが、現在では立派な尾が伸びています。多少は期待しても良いかもしれません。

エンケ彗星は周期彗星で、楕円軌道を描いて 3.3年ごとに太陽に近づきます。一方のアイソン彗星は放物線軌道を描いています。11月末の太陽最接近で消滅しなかったとしても、その後は無限の彼方に去って行き2度と戻ってくることはありません。


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シナブン山の噴火 ― インドネシア


インドネシアのスマトラ島北部にあるシナブン山(地図)は今年9月ごろから火山活動が激化していました。下記の記事に掲載されている写真は 11月14日に数千メートル上空まで噴き上げられた巨大な噴煙柱を写したものです。「凄まじい」の一語です。複数の火砕流が斜面を流れ下っている様子も写っています:

以下はシナブン山の噴火の様子を捉えた写真集です。特に火山雷の写真は不気味です:

シナブン山は数百年間の沈黙を破って2010年に噴火し、現在まで盛衰はあるものの活発な火山活動を続けています。


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2013年11月16日土曜日

岩手山で低周波地震 ― 岩手県


気象庁が11月9日に発表した「岩手山の火山活動解説資料(平成25年10月)」(PDF形式)によると、10月26日に岩手山地図)の 「山頂直下付近のやや深いところを震源とする低周波地震がまとまって発生」 したとのことです。


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月暈出現 ― 岩手県


11月14日夜、岩手県内各地で月暈が見られたとのことです:

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アイソン彗星がアウトバースト、肉眼等級に


アイソン彗星がここ 1週間で急激に明るくなり、肉眼でも見ることができる明るさに達しました。アメリカのベテラン彗星観測者によると、11月11日朝には 8.5等級、13日朝には 7.3等級だったものが、14日朝には 5.4等級にまで増光したとのことです。これはわずか 72時間で 16倍の明るさになったことを意味します:

市街地では光害で背景の空が明るいため、まだ双眼鏡が必要だと思われます。アイソン彗星は 18日に「おとめ座」の 1等星スピカに接近します()。スピカを目印にすれば、アイソン彗星を容易に見つけることができると思います。

アイソン彗星を観望するための情報は国立天文台の以下のページにあります:

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2013年11月15日金曜日

雌阿寒岳で火山性微動、地熱域拡大


以下は気象庁が11月9日に発表した「雌阿寒岳の火山活動解説資料(平成25年10月)」(PDF形式)からの引用です:
  • 4日および10日に行った現地調査及び7日に実施した上空からの観測(国土交通省北海道開発局の協力による)では、ポンマチネシリ第4火口の地熱域がわずかに広がっていることを確認しました。

  • 96-1火口南側で実施している全磁力連続観測によると、2011年1月以降横ばいで推移していた全磁力値は、2013年7月以降減少傾向が続いており、96-1火口地下の温度が上昇している可能性が考えられます。

  • 11日02時45分に振幅が小さく継続時間の短い火山性微動が発生しました。微動の発生前後でその他の観測データに変化はありませんでした。雌阿寒岳で火山性微動が観測されたのは、2011年11月12日以来です。

全磁力の減少については、以下の関連記事を参照してください。


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富士山で深部低周波地震


気象庁が11月9日に発表した「富士山の火山活動解説資料(平成25年10月)」(PDF形式)によると、10月29日に深部低周波地震が一時的に増加したとのことです:
深さ15km付近を震源とする深部低周波地震は、29日に一時的に地震回数が増加しましたが、それ以外の期間では少ない状況でした。

火山性微動や浅部の低周波地震は観測されませんでした。

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近畿圏中心領域大型地震 (続報-23)


10月18日付「近畿圏中心領域大型地震 (続報-22)」の続報です。

八ヶ岳南麓天文台の串田氏が更新情報を11月9日付で出しています:

内容を手短にまとめると以下のとおりです:
  • 10月31日16時から11月7日夜まで、1つの受信装置に明瞭な PBF(Periodic Baseline Fluctuation、周期的な基線のうねり)が発生。直前前兆の可能性がある。

  • ステージ 6 前兆群はほとんどが10月末から11月初旬に終息。しかし、2つの受信装置の前兆が終息していない。

  • 現時点での対応地震発生の予測日は 11月19日±2日。ただし、この時期に地震が起こらず、ステージ 7 に移行する可能性もある。

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2013年11月14日木曜日

ミツクリザメ 13匹捕獲 ― 神奈川県横須賀市


13日に〝悪魔のサメ〟が13匹 ・・・

11月13日、深海に棲息するミツクリザメ (ゴブリンシャーク)13匹が、神奈川県横須賀市長井(地図)沖の相模湾で刺し網にかかりました。「まとまった数が生きたまま捕獲されるのは珍しい」(八景島シーパラダイスの水族館):

今年の夏、高知県室戸岬沖でも一度に多数の深海魚が網にかかっています:

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2013年11月12日火曜日

「富士山噴火まで2年切った」


「これまで世界で起きたM9.0以上の6巨大地震では、例外なく4年以内に火山が噴火している」、「噴火の予兆とされる山体膨張は加速している」、「河口湖の水位低下が注目されていますが、雪解けと梅雨の時期がとっくに過ぎた今でも戻らないのは不思議」:

「山体膨張は加速」という点については、以下の最新資料の図4と図5を参照してください。膨張しているようにも、それが加速しているようにも見えません:

「河口湖の水位低下」については、以下のリアルタイム・データを参照してください。水位は徐々に上昇しています。通常水位まであと 1m20cm です:

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2013年11月11日月曜日

〝宇宙のフェラーリ〟が落下 (続報)


11月11日付「〝宇宙のフェラーリ〟が落下」の続報です。

欧州宇宙機関(ESA)の発表によると、「宇宙のフェラーリ」こと重力観測衛星 GOCE (画像)は、日本時間11日午前9時ごろに大気圏に突入したとのことです:

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〝宇宙のフェラーリ〟が落下


光沢のある空力学的デザインの機体形状から「宇宙のフェラーリ」と呼ばれた欧州宇宙機関(ESA)の重力観測衛星 GOCE (Gravity field and steady-state Ocean Circulation Explorer、画像)が間もなく大気圏に突入します。10月中旬に燃料を使い果たし、地表から 224km の軌道から徐々に高度を下げていました:

GOCE は、その軌道高度のわずかな変動にもとづいて極めて高い精度と解像度で地球の重力の変化を観測し、地球のジオイドモホ面(地殻とマントルの境界)の決定に貢献しました:

また、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震で発生した「音波」を検知したことでも有名です。これは、大地震によって発生した大気密度の揺らぎが GOCE の軌道高度の微小な変化となって現れたため観測されたものです。以下は説明の動画です:

GOCE の現在位置は以下のページで知ることができます:

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2013年11月10日日曜日

マイワシ豊漁 ― 北海道・道東沖


釧路新聞』の記事です。「マイワシの水揚げが3倍近く増えており、1万トンの大台を突破したのは1992年以来、21年ぶり」:

海水温の上昇が原因のようです。

「1992年以来、21年ぶり」。私は、こういう記述があると、その後に何か起きていないかを調べるのですが、たいていの場合は大したことは起きていません。しかし、このケースは違いました。以下は『理科年表』(丸善書店)所載の「日本付近のおもな被害地震年代表」からの引用です:
  • 1993年1月15日 『平成5年釧路沖地震』 M7.5: 我が国では11年ぶりの震度6を釧路で記録。死2、傷967。建物や道路の被害もあった。北海道の下に沈み込む太平洋プレートの内部で発生した深さ約100kmの地震で、この型の地震としては例外的に規模が大きかった。

  • 1993年7月12日 『平成5年北海道南西沖地震』 M7.8: 地震に加えて津波による被害が大きく、死202、不明28、傷323。特に地震後間もなく津波に襲われた奥尻島の被害は甚大で、島南端の青苗地区は火災もあって壊滅状態。夜10時過ぎの闇の中で多くの人命、家屋等が失われた。津波の高さは青苗の市街地で10mを越えたところがある。

  • 1994年10月4日 『平成6年北海道東方沖地震』 M8.2: 北海道東部を中心に被害があり、傷437、住宅全壊61、半壊348。津波は花咲で173cm。震源に近い択捉島では死・不明10など、地震と津波で大きな被害。

  • 1994年12月28日 『平成6年三陸はるか沖地震』 M7.6: 震度6の八戸を中心に被害、死3、傷788、住宅全壊72、半壊429。道路や港湾の被害もあった。弱い津波があった。

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理系の発想


実話なのか確認できませんが、ありそうな話です:

私が住む自治体の分別の手引きでは、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」になっていました。


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2013年11月7日木曜日

「地震雲」は存在しない可能性


「地震雲」を信奉している人たちにとっては不都合な記事です。「地震雲」と地震の関係については、疑似相関、確証バイアス、後知恵バイアスなどと、これまでにもいろいろ指摘はされていましたが、ツイッターのつぶやきを調べるというのは新しい切り口かも知れません。

「ツイッター上では『地震雲』は割と頻繁に目撃されており、その頻度は少なくとも毎日1回以上は観測されているのです。つまり、大きな地震が起きる前に目撃されているのではなく、実は普段毎日地震雲は目撃されているのです。ということは、いつどこで地震が起きようとも地震雲が毎日発生しているので巨大地震と紐づけ出来てしまう訳です」:

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宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-4)


10月2日付「宏観異常情報の収集開始 ― 高知県 (続報-3)」の続報です。

高知県庁のウェブサイトに掲載されている宏観異常現象の表が更新されています。10月分は 0件です。8月分で初めて 2件の報告があったのですが、それ以外の月はこれまでのところ 0件です:

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宇宙飛行士が撮影した「UFO」


少し古いニュースです。8月19日に国際宇宙ステーションの搭乗員が撮影した「UFO」の動画です。光を点滅させながら回転しているように見えます(0秒~16秒、1分00秒~1分08秒):

この「UFO」の正体は、国際宇宙ステーションの外部に取り付けられたアンテナのカバーだとのことです。


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2013年11月6日水曜日

燃え尽きた〝アルバート・アインシュタイン〟


6月に南米の仏領ギアナ(地図)から打ち上げられた欧州宇宙機関(ESA)の無人宇宙補給機 ATV-4 (アルバート・アインシュタイン)が、約4ヶ月半、国際宇宙ステーションに係留された後、11月2日に太平洋上空で大気圏に突入し燃え尽きました。ATV-4 は、大気圏突入時の様子を観測するために、国際宇宙ステーションの真下で大気圏に突入するように軌道が調整されていました。

以下は、国際宇宙ステーションから撮影された再突入の1コマです:

以下は、再突入の連続写真です。初めは小さな光点にしか見えませんが、徐々に明るくなり、機体がバラバラになっていく様子がわかります。最後の方で、ひと筋の緑色の光跡が見えるのですが、何か特殊な素材を使った機材が発光しているのでしょうか:

再突入時の ATV-4 には、国際宇宙ステーションで発生した 1.6トンの廃棄物が積まれていました。

欧州宇宙機関の ATV には、SF作家や学者の名前がつけられています:

1号機 ジュール・ヴェルヌ
2号機 ヨハネス・ケプラー
3号機 エドアルド・アマルディ
4号機 アルバート・アインシュタイン

ATV-4 と同じ時期に日本の宇宙ステーション補給機 HTV4 (「こうのとり」 4号機)も国際宇宙ステーションに物資を運んでいました。8月4日に打ち上げられ(写真)、8月9日に国際宇宙ステーションに到着、9月5日に離脱して、9月7日に大気圏に突入しました。

以下は、大気圏突入時の写真です。ATV-4 と同じく、国際宇宙ステーションから撮影されました:

欧州の ATV は自動操縦で国際宇宙ステーションにドッキングしますが、日本の HTV はそばまで近づいて、国際宇宙ステーションのアームで捕まえてもらう方式です。


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エトナ山で複数ヶ所から噴火 ― イタリア


イタリア南西部・シチリア島にあるエトナ山(地図)の南東火口(新火口)は、数ヶ月の沈黙の後、9月初めごろから徐々に活動の激しさを増していましたが、10月26日、「溶岩噴泉」を空高く噴き上げるに至りました。さらに、それまで静穏だった北東火口も突然、轟音とともに黒い噴煙を噴き上げました。2つの火口の間にある鞍部にも亀裂があり、そこからも溶岩が流出しているとのことです。

以下は、2つの火口から立ち昇る噴煙をエトナ山の東麓から写した写真です。左が活発な活動を継続していた南東火口、右が噴煙を突然噴き出した北東火口です。珍しい光景です:

以下は、2つの火口の活動を写した動画です。初めは南東火口の溶岩噴泉です。開始から52~53秒ごろにカメラが揺れ、北東火口から噴煙が立ち昇ります:

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2013年11月5日火曜日

誰にでもできるFM電波による地震予知


先月初旬、日本地震学会秋期大会が開かれました。そこで発表された JYAN 研究会による「電磁波の観測網で捕らえた地震直前の伝搬異常とその理論的根拠となる3 種類の記録グラフ」の内容が紹介されている記事です:

4月13日に淡路島で発生した M6.3、最大震度 6弱の地震については、次のように書かれています:
「淡路島地震」は23日程前から異常が確認され、4月7日に平常に戻ったため、地震の予測として期日は、4月13日頃、マグニチュードは6、場所は姫路から貝塚市方面(淡路島方向)と予想することができた。

FM電波の異常と地震発生については次のような法則があるとのことです:
10デシベル程度上昇し収まってから(静穏期が)1週間程度で、そののちに地震が発生する場合、マグニチュード(M)6クラスで震度5~6の地震が発生。20デシベル程度上昇した場合、最大で震度7。静穏期が3日間程度だと、M4・5ほどになる。

同じFM電波を使った地震予知でも、八ヶ岳南麓天文台の串田氏がおこなっている方法に比べるとシンプルです。


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