2013年8月6日火曜日

アイソン彗星の旅程表


「世紀の大彗星」になるかもしれないといわれているアイソン彗星(C/2012 S1(ISON))のタイムラインを2つのサイトが掲載しています:

両者の情報を合わせて表にしてみました。日付はアメリカ時間です。日本時間では翌日になる場合があります。たとえば、アイソン彗星の近日点通過は、表では11月28日ですが日本時間では11月29日になります:

年月日 事象
1万年前 太陽系外縁のオールトの雲を離脱、太陽への落下を開始。
12年9月24日 ロシアのアマチュア天文観測者2人が「かに座」の方向に新彗星(アイソン彗星)を発見。
13年1月17日~18日 NASAの彗星探査機ディープ・インパクトがアイソン彗星を撮影。一酸化炭素および二酸化炭素は検出されなかった。
13年1月~3月 NASAのガンマ線バースト探査機スイフトがアイソン彗星を観測。太陽からの距離 7億4000万km。毎分50トンの塵と60kgの水を放出していることが判明。水の放出が少ないのは、まだ太陽からの距離が遠く、水分の蒸発が少ないため。一酸化炭素や二酸化炭素の放出は活発。
13年4月10日 NASAのハッブル宇宙望遠鏡がアイソン彗星を観測。太陽からの距離 6億2100万km。木星軌道の内側。彗星の核が予想に反して小さく、直径4.8~6.5kmしかないことが判明。彗星の尾は、幅5000km、長さは9万2000km以上。5月2日と7日にもハッブル宇宙望遠鏡を使った観測がおこなわれ、アイソン彗星が一酸化炭素を放出する量の上限が求められた。
13年6月上旬~8月下旬 アイソン彗星が、地球から見て太陽の向こう側にあるため、地上からの観測不能。
13年6月13日 NASAのスピツァー宇宙望遠鏡がアイソン彗星を観測。太陽からの距離 4億9800万km。このときの観測データは未だ公表されず。
13年7月下旬~8月上旬 アイソン彗星が「フロスト・ライン」を通過。太陽からの距離 3億7000万~4億5000万km。太陽からの放射エネルギーが十分になり水分の蒸発が活発になる。明るさが増すことが期待される。彗星によってはこのラインで消滅。
13年9月 南半球で明け方の空にアイソン彗星が見えるようになる。双眼鏡が必要。
13年9月17日~10月15日 アイソン彗星観測のための気球 BRRISON(Balloon Rapid Response for ISON)がニューメキシコ州から打ち上げられる。
13年10月1日 アイソン彗星が火星に最接近。火星探査車キュリオシティとオポチュニティが同彗星を撮影予定。
13年10月10日 アイソン彗星が太陽観測機 STEREO-Aの視野に入る。太陽からの距離 1億5200万km。
13年11月 NASAのX線観測衛星チャンドラが、太陽風の粒子とアイソン彗星の相互作用によって発生するX線を観測。
13年11月18日~24日 NASAの観測ロケット FORTIS(Far-ultraviolet Off Rowland-Circle for Imaging and Spectroscopy)打ち上げ。アイソン彗星の化学成分を調べるために同彗星からの紫外線を観測。
13年11月19日 アイソン彗星が水星に最接近。水星を周回中のNASAの水星探査機メッセンジャーが撮影予定。
13年11月21日 宇宙空間や地上に配備された観測装置が総動員でアイソン彗星の観測を開始。
13年11月28日 アイソン彗星が近日点通過。太陽表面からの距離 120万km(地球から月までの距離の約3倍)。蒸発・消滅の危機
13年12月 数週間にわたって北半球の空にアイソン彗星が輝く。12月上旬には明け方、東南東の地平線近くに見える。12月下旬から1月上旬にかけては、一晩中見える。
13年12月26日 アイソン彗星(あるいはその残骸)が地球に最接近。地球からの距離 6420万km。


アイソン彗星を観測・観望するための手引きとしては、以下があります:

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