2012年2月26日日曜日

火星でM7級の地震


火星でM7級の地震が比較的最近に起きていたことを示す痕跡を見つけた、とロンドン大学の研究チームが発表しました:

以下は記事からの抜粋・要約です:
NASAの火星周回衛星マーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter)が撮影した画像を分析。火星の崖から転がり落ちた岩石の数と大きさ(直径2mから20m)が、火星のケルベロス地溝帯の断層群に沿うある地点を中心にして半径100kmの範囲で徐々に減少していることを見いだした。 
この事実は、岩石が地面の揺れによって転がり、地面の揺れの激しさは火星震(marsquake)の震央から遠ざかるほど弱くなったという仮説と合致する。 
転がった岩石が地面に残した痕跡のパターンは、氷の融解によってそれらの岩石が散らばったという見方とは矛盾する。そのパターンは、むしろ、2009年にイタリア中部で発生したラクイラ地震の際に見られた落石のものとよく似ている。 
転がった岩石の分布範囲から、火星震のマグニチュードは7であったと見積もられる。これは、約30000人の犠牲者を出した2010年のハイチ地震とほぼ同じ規模である。この火星震は、近くにあるエリシウム火山に関連したマグマの運動によって引きおこされた可能性がある。 
岩石が転がった痕が火星表面を吹く風によって吹き消されていないので、この火星震は地質学的に比較的最近――火星が誕生して以来45億年の歴史の中の最後の数パーセントの間――に起きたと結論づけられる。 
火星震は今日現在も起きている可能性がある。もしそうであるならば、火星の生命を探すことに関心を持っている科学者には朗報である。火星に今日でも活動を続けている火山があるのであれば、その熱が火星の地下に存在する氷を溶かし、生命が棲息可能な液体の水の貯留槽を作り出している可能性がある。

現在、NASAやESA(欧州宇宙機関)の衛星が火星を周回し、高解像度で詳細な画像を送ってきています。それらの分析から、火星にも過去にはプレートの運動があったことを示す痕跡があるという報告もでています。プレートテクトニクスが火星でも機能していたのか否か、最終的な決着は有人探査機が火星に到達して、実地調査がおこなわれるまで待たないとならないのかも知れません。


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