2011年12月8日木曜日

2012年にスーパー噴火がおきる? ― NASAがお答えします (その 2)


以下は、上掲記事をテキトー訳したものです:
地球誕生以来45億年の間に、セント・ヘレンズ山やピナツボ山よりもはるかに巨大なスーパーボルケーノが何回も噴火したことが地質学的記録として残っています。しかし、2012年を恐れる人たちが主張するようなスーパー噴火が目前に迫っていることを示す証拠はありません。 
〝スーパーボルケーノ〟(supervolcano)あるいは〝スーパー噴火〟(supereruption)とは正確にはどのようなことなのでしょうか。この2つはかなり新しい言葉で、科学者よりもマスメディアに好まれていました。しかし、最近では地質学者も、近年におきた最も爆発的な噴火の1つであるセント・ヘレンズ山が放出したマグマや火山灰の総量の約1万倍を放出する爆発的火山噴火を指す用語として使うようになっています。 
このような規模の噴火を理解するのは困難なことですが、地球の表面には多くの巨大スーパー噴火の特徴的な手がかりが残っています。広大な火山灰の層が多くの大陸の広い範囲を覆っています。そして、巨大な陥没地形であるカルデラ ―― マグマだまりの中身をすべて一気に放出して崩壊した火山が後に残した直径100kmにも達するクレーター  ―― がインドネシア、ニュージーランド、アメリカ合衆国、そしてチリで過去におきたスーパー噴火を理屈抜きに思い起こさせてくれます。 
これら有史以前のスーパーボルケーノの噴火は広大な地域に影響を与えました。スマトラ島にあるトバ山は、これまでに(地球上で)おきた噴火の中では最大であろうといわれる噴火を約7万4000年前におこしましたが、このとき流出したマグマは2800km3という驚くべき量に達し、噴出した火山灰は南アジア全域に厚い層として残っています。これを、インドネシアのクラカタウ山の噴火と比べてみましょう。1883年のクラカタウ山の噴火は、有史時代に入ってからでは最大級とされていますが、このとき噴出したマグマは約12km3に過ぎません。 
火山学者たちは、スーパーボルケーノについての未解明の問題について答えを探し続けています。たとえば、何がきっかけでスーパー噴火がおきるのか、なぜそんなに大量のマグマがマグマだまりに溜まるまで噴火がおきないのか。通常の噴火と比べて(マグマの)組成に何か違いがあるのか。どのようにしたら、スーパーボルケーノが次の噴火をおこすのを予知できるのか。 
すべての専門家の意見が一致していることが1つあります: スーパー噴火はおきるとしてもきわめてまれな現象であり、この記事を読んでいる人が生きている間にスーパー噴火がおきる確率は無視できるくらいに小さいということです。 
いちばん最近のスーパー噴火は2万6000年前にニュージーランドでおきました。その前のスーパー噴火は前述のトバ山の噴火で、さらに約5万年ほど時代がさかのぼります。全体として、地質学者たちは約50回分のスーパー噴火の痕跡を見つけており、さらにその他の可能性も評価中です。 
これは大きな数字だと感じるかも知れません。しかし、ある科学者のグループがすべての既知のスーパーボルケーノの数を使ってスーパー噴火のおおよその発生頻度を計算したところ、100万年ごとにわずか1.4回のスーパー噴火しかおきないという結果を得ました。 
この結果は、100万年ごとに規則正しい間隔でスーパー噴火がおきるといっているのではありません。何百万年間もスーパー噴火がおきないこともあれば、多くのスーパーボルケーノが短期間に噴火することもありえます。地質学的な記録は、スーパー噴火が群れをなしておきることを示していますが、そのような群れは将来の噴火予測につかえるほど規則正しいものではありません。 
特定の世紀、10年間、あるいは2012年のような1年間にスーパー噴火がおきるか否かを完璧な正確さで予測する手段を科学者たちは持っていません。しかし、彼らは世界中の火山活動が活発な地域に目を光らせています。その結果、近い将来にスーパー噴火がおきる兆候が今のところまったくないことがわかっています。

続く