2011年12月25日日曜日

ラブジョイ彗星が太陽接近 (続報-11)


〝夜明けのコメット〟ラブジョイ彗星のすばらしい映像が続々と公開されています。以下は、ヨーロッパ各国とブラジルが共同で運営するパラナル天文台(Paranal Observatory、所在地はチリ)で12月22日に撮影された写真です:

この写真には、日本に住む私たちがふだん目にすることのない南天の星座や天体が写っています。画面中央のやや上に天の川が黒くなっている部分があります。これが暗黒星雲・コールサック(石炭袋)です。そのすぐ上には「みなみじゅうじ座」があります。この写真では、星の数が多すぎて見わけにくいかも知れませんが、実際に南半球に行って夜空を仰ぐと、比較的容易に見つけることができます。コールサックの左下には「ケンタウルス座」が広がっており、太陽系に最も近い恒星アルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星、4.3光年)が写っています。

画面右側、二つのドームの間に写っている白い雲のようなものが大マゼラン星雲と小マゼラン星雲です。われわれの銀河系宇宙に最も近い銀河で、前者は16万光年、後者は20万光年のところにあります。

上記の写真で、「みなみじゅうじ座」やアルファ・ケンタウリが見つけられなかった方は、以下の写真の上にある〝>> click >>〟をクリックしてください。南十字の形や〝α Centauri〟の文字が表示されます:

上の写真では、天文台のドームから空に向かってレーザー・ビームが発射されていますが、これは大気の揺らぎを計測して星の像がぶれるのを補正するためのものです。

以下は、上の写真と同じく、パラナル天文台で撮影された動画です。地平線からラブジョイ彗星が昇ってきます:

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