2011年10月18日火曜日

エル・イエロ島沖の噴火続く ― カナリア諸島


10月10日にエル・イエロ島(地図)の南の海底で始まった火山活動は、穏やかになったものの継続中です。以下の動画に見られるように、変色した海水を押しのけるようにして海面が泡立つようになっています。これは、海中で火山が成長し、噴火口が海面に近づいているためだと考えられます:

専門家は、海底のマグマの量が不足しているので火山が海面まで成長することはない、とみています。しかし、スペインでは新島誕生への期待がたかまり、新島の領有権はどうなるかという記事が掲載されたり、新島の名前を募集するサイトが現れたりしています。

前者の疑問に対しては、火山活動がおきているのはスペインの領海内なので、新島はスペインに帰属する、が答えです。(カナリア諸島とアフリカ大陸の間の海域に関しては、石油資源が見つかっていることもあって、対岸のモロッコとの間に係争があるそうです。)

公海に新島が誕生した場合には、最初に発見・上陸して領有を宣言した国の領土になるのが通例のようですが、月や南極大陸のように、どこの国の主権にも属さない、とする考えもあるようです。

ジョークのパターンに、船が難破して無人島に流れ着いたとき、○○人ならどうするか、というものがあります。たとえば:
海図にない島に故障した船が漂着した。ドイツ人は故障をどう直すか研究を始め、フランス人とイタリア人は島に女性が潜んでいないか、うきうきしながら探しに行った。日本人は漂着後にどうすべきか本社に問い合わせる通信手段を探し始めた。だが、中国人はこの島の領有権を主張し始めた。(産経ニュース 「この島は中国のものだ!」 より引用)

中国人が領土に執着するというジョークのパターンは、最近、よく見かけるようになりました。公海の海底に成長中の火山があり、島にまで成長する見込みがある場合、中国の「調査船」がすぐそばで待機する、ということも将来あるかも知れません。

新島の名前の候補には、〝La descubierta (The discovery)〟や〝Atlántida (Atlantis)〟などがあがっています。


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