2010年8月17日火曜日

液化エタンの湖 ― タイタン

土星探査機カッシーニの観測データによって、土星の衛星タイタンの表面には液体のエタンをたたえた湖があることが確認されています。以下は、最新のデータにもとづいて描かれたタイタンの湖の想像図です:

図でわかるようにタイタンには大気があり、いつもオレンジ色の靄のようなものがかかっています。そのため、可視光線では地表の様子が見えません。カッシーニ探査機はレーダーを使って地表の様子を調査しています。

エタンは、都市ガスに含まれるメタン、都市ガスが利用できないところで使われるプロパン、ガスライターに使われるブタンなどと同じグループに属する有機化合物です。

地球以外で、表面に大量の液体が存在することがわかっているのはタイタンだけです。残念ながら、エタンの湖の中で生命が進化する可能性はないと言われています。

この湖の畔に人類が立つ日がいつかきてほしいものです。


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