2010年7月2日金曜日

ネズミの集団移動 ― ミャンマー

[追記 2010年7月29日] 7月29日付「地震多発 ― ミャンマー、タイ、インド東部」も参照してください。 [追記終わり]


ミャンマーでネズミの集団移動が起きています:

先月末ごろから、ミャンマーの首都ネーピードー(地図)と旧首都ヤンゴンを結ぶ幹線道路に沿って南に向かう数千匹のネズミの集団が目撃されています。ネズミは自動車を恐れる様子がなく、タイヤに挽き潰された無数のネズミの死骸が道路に張り付いているそうです。別の報道は、道路がネズミの血で真っ赤に染まっていると伝えています。

ネズミの集団移動については、現地ではさまざまな推測が流れています。地震などの自然災害を予知したネズミがネーピードーを脱出しているという見方、バゴー管区(Bago/Pegu Division、地図)の山岳地帯で竹の花が開花したため、竹の花をエサとするネズミがそこへ向かって移動しているとする見方、など。

ミャンマー北西部のチン州(地図)とそこに隣接するインドのミゾラム州では、200年に 1度といわれる竹の開花が 2007年から始まりました。それにともなって、異常増殖したり他所から移動してきたりした数百万匹のネズミが農作物などを食い荒らしたため、慢性的な飢饉がさらに悪化しています。

ミャンマー南部のエーヤワディー川 (イラワジ川)のデルタ地帯でも、ネズミの浸入による農作物への被害が懸念されています。国連人道問題調整部(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、OCHA)によれば、ミャンマーの軍事政権は農民に対して 1日あたり 15匹のネズミを殺して、その尾を地元当局に提出するように命じているとのことです(従わない場合は罰金刑)。

[補足] 軍事政権が 1000以上の地名を変更したため、ミャンマー(ビルマ)についての報道を読むときは場所の確認が面倒です。ヤンゴン(ラングーン)、バゴー(ペグー)、エーヤワディー川(イラワジ川)、タンルウィン川(サルウィン川)等々。括弧内が変更前の地名です。


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