2010年7月30日金曜日

フィリピン海の範囲 (その 3)

引き続き 『宏観休憩室 地震前兆研究村』 からの転載です:
No.4268(No.4136への返信) 「九州や四国の太平洋側では…」(その3) 投稿者:Nemo 投稿日:2007/06/13(水) 20:40

フィリピン海を太平洋から分離する決定を行った国際水路局は、現在は国際水路機構と改称されています。この機構が数年に1回開催する国際水路会議では、韓国が日本海の名称を「東海(トンヘ)」に変えるべきだ、それがだめなら日本海と「東海(トンヘ)」の名称を併記すべきだ、との主張を展開してきたことは皆さんご存じであろうと思います。今年5月の会議では日本側に有利な結論が出される趨勢にあると報道されていましたが、韓国側の猛烈な巻き返しもあって、結論はまた次回に持ち越しになってしまいました。会議の議長も国家間の係争を持ち込まれることに辟易しているようで、このまま結論の先延ばしが繰り返されると、いずれはサッカー・ワールドカップについてFIFAが下した日韓共催のような結論を求める国際世論が形成されてしまうかも知れません。

韓国側の論拠の一つに、複数の国が権益を有する海洋に一国家の名前を冠するのは不平等であるというものがあります。日本側は、インド洋やフィリピン海のように国家の名前がついている海洋の事例を挙げて反論しています。かつて日本がフィリピン海の名称を何とか避けようとしたことの背景に、島嶼の領有権などへの影響懸念や、それまで自国が自由にふるまってきた海に他国の名前が付くことへの不快感があったとすれば、韓国側が日本海の名称に抵抗感や警戒感を持つことと一脈通じるのかも知れません。国際機関の決定したフィリピン海に対して日本のとった対応は、ある面で韓国の日本海に対する行動と似ているように思います。韓国国内で発行される地図に日本海の名称はありません。

いま手元にある4冊の地図帳を開いてみると、その内3冊では四国のそばに大きな字で太平洋と書かれています。もっと広い範囲を示す地図で、日本のはるか南方にフィリピン海の名称が記載されているページでは、太平洋に比べて小さな字でフィリピン海と記載されています。残り1冊の世界地図帳では、西日本近海に海洋名の記載がなく、はるか南方、フィリピンの横あたりにフィリピン海と書かれています。

(完)


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