2010年5月17日月曜日

ボイジャー 2号が異常データ送信

木星や土星などの外惑星を探査するために 1977年に打ち上げられたボイジャー 1号と 2号。両探査機は現在、地球から 169億キロと 138億キロ離れたところを飛行中です()。人工物体としては人類史上最も遠い地点に到達しています。今後 5年程度でヘリオスフィア(太陽圏)から抜け出て、恒星間宇宙を飛行する初めての探査機になると見込まれています。

しかし、ボイジャー 2号から送信されてくる観測データが 4月 22日から異常を示し始め、地上でデータを解読できない状態が続いています:

地上の技術者チームが原因を分析中で、ボイジャー 2号は探査機自体の状態を送信するだけのモードに置かれています。探査機本体に異常はなく、どうやら、観測データを地球に向かって送信する前にその形式を整える機能を持った flight data system に障害が発生しているようです。

打ち上げから 33年が経過し、その間ずっと宇宙の厳しい環境に曝されてきた装置ですから、故障してもおかしくはない、と言うよりはこれまで不具合がおきていなかった方が不思議なくらいです。

技術者のチームは、なんとか機能を修復しようと試みています。しかし、138億キロ離れたところにいるボイジャー 2号に指令が届くのに 13時間、応答が返ってくるのにさらに 13時間かかるので進捗ははかばかしくないようです。

このボイジャー 2号の事態について、やはりと言うべきか、トンデモ屋さんたちが珍説を唱えています:

何人かのトンデモ屋さんが同じことを言っているようです。ボイジャー 2号の機体には何の異常もなく、送られてくるデータだけが想定外の形式で解読できなくなっているのは、エーリアンがボイジャー 2号を乗っ取って装置をリプログラムし、地球人とコンタクトするためのメッセージを送ってきているのだ、という考えです。

そんな持って回ったことをせず、自分たちの宇宙船から電波を送ったり、直接地球に飛来したりすれば良いのでは、…… と私は思うのですが。


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