2010年2月3日水曜日

全国の火山活動の評価

2月 2日付で 「第115回火山噴火予知連絡会 全国の火山活動の評価」 が発表されています:
活発な活動が続いている 桜島(噴火警戒レベル 3)、三宅島(同 2)、諏訪之瀬島(同 2)、薩摩硫黄島(同 2)、浅間山(同 2)以外で目についた火山の状況を上記文書から以下に抜粋します:

十勝岳
62-2 火口付近では、2006年以降、GPS観測により 62-2 火口浅部の膨張を示すと考えられる局所的な地殻変動がみられ、現在まで継続していると推定されます。

樽前山
A火口及びB噴気孔群では高温の状態が続いており、山頂溶岩ドーム付近の局所的な膨張が 2006年以降継続しています。また、地震活動は概ね低調ですが、2008年以降は消長を伴いながらわずかな増加が見られています。2009年 10月に傾斜変動を伴う火山性微動が2回発生しました。

秋田駒ケ岳
8月 28日に確認された女岳北東斜面の新しい噴気地熱域では、10月 21~ 23日にかけて実施した現地調査の結果、斜面下方側に地温の高い領域が認められ、地熱域の斜面下方への拡大が確認されました。その後もこの地域では、11月 12日および 12月1日の上空からの観測の結果、地熱によると考えられる融雪域がみられ、地熱域がわずかに拡大しているのが認められました。

吾妻山
10月以降は噴気の高さが 50~400mと再びやや高まった状態が続いています。一切経山や、大穴火口以外の場所では、地表面温度等の変化は認められません。火山性地震は 2009年 10月以降増加し、やや多い状況が続いています。1月 29日に火山性微動を2回観測し、継続時間はそれぞれ約2分半と1分でした。

富士山
山体周辺の GPSによる地殻変動観測で、2008年8月頃からわずかな伸びの変化が継続しています。この変動は、地下深部の膨張を示していると考えられます。

伊豆東部火山群
明瞭な低周波地震の活動や火山性微動は観測されておらず、噴火の兆候は認められません。

伊豆大島
地下深部へのマグマ注入によると考えられる島全体の長期的な膨張傾向が継続していますが、短期的には秋頃から収縮傾向がみられています。

硫黄島
2006年8月以降見られていた島全体が隆起する地殻変動は現在は停滞していますが、島内南北方向の伸びの傾向は継続しています。

福徳岡ノ場
変色水が確認されており、小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では警戒が必要です。

阿蘇山
11月2~6日にかけて火山性微動の振幅が一時的に大きい状態となり、消長を繰り返しながら推移しました。孤立型微動は多い状態で経過しました。中岳第一火口南側火口壁の噴気孔では火炎現象及び赤熱現象が引き続き観測されています。南阿蘇村吉岡(中岳第一火口から西南西約6km)の噴気は噴出力がやや強く、引き続き噴気活動に注意が必要です。

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