2010年2月28日日曜日

地震予知失敗 ― スペイン

2月 24日にスペインのバレンシア地方で地震が起きるとアマチュア地質学者が予報していましたが、結局何も起きませんでした:

予報していたのは地元のアマチュア地質学者 Nigel Michael John Day of Alfaz del Pi 氏。地震予知の 3要素のうち、日時と場所は特定していたものの規模についてははっきり言っていませんでした。ただ、M5 を上まわる地震で揺れが 2分以上続けば深刻な被害が出るという主旨の発言をしていましたので、それなりに大きな地震の可能性があるとは思っていたようです。

上記記事で見る限り、地震予知の根拠となったのは 2つの現象です。一つ目は、地元にある「死火山」Puig Campana 山頂付近の二酸化硫黄(亜硫酸ガス)濃度上昇。二つ目は、同氏の自宅の庭に見つかった孔から放出される二酸化硫黄ガス。同氏によれば、その孔は約 10km の深さがあり(どうやって測ったのでしょうか)、スペインを東西に貫く断層に達しているとのこと。なぜ 2月 24日なのかという点については、記事に記述がありません。

バレンシア地方と Puig Campana 山の位置は以下のグーグル・マップで確認できます:

Puig Campana 山の写真や説明は以下にあります:

ヨーロッパと地中海周辺地域の地震情報は以下のサイトで確認できます。USGS(米国地質調査所)がカバーしていない地震も多数掲載されています:

幸い、スペインは民度が高いためか、東欧や中国で見られたようなパニックはおこりませんでした。

よく言われることですが、日時を指定した地震予知は現在の技術では不可能です。したがって、そのような予知情報はデマの可能性が高く、信用してはなりません。今回のスペインの「予知」も、そのような事例の屍を一つ追加したということでしょう。