2009年10月13日火曜日

携帯電話のテキスト・メッセージで救助を求める

9月30日にスマトラ島沖で発生した大地震では、多くの人が崩壊した建物の中に閉じこめられました。そのような人たちの体験談が数多く報道されていますが、その中には、SMS などの携帯電話のテキスト・メッセージで、身内や知人に自分の閉じこめられている場所を知らせて、救出されたという事例がいくつもあります:
コンクリートや鉄筋を主体とした瓦礫の中に閉じこめられた場合、携帯電話の電波はほとんど遮断されてしまい、音声による通話は不可能になります。微弱な電波が漏洩している場合でも、音声による通話を可能にするほどの時間、継続して携帯基地局との接続を維持することは困難です。しかし、テキスト・メッセージの場合は、せいぜい数パケットを送信する時間だけ基地局との間に接続を維持できればよいので、メッセージが相手に届く可能性が高まります。

かつて、フジテレビ系列が木村拓哉と松たか子の共演で放送した連続ドラマ『HERO』(ヒーロー)でも、携帯電話のテキスト・メッセージで救助を求めるシーンがあったように(かなり不確かですが)記憶しています ―― 船倉に閉じこめられた松たか子演じる検察事務官と、もう一人、誰だったか思い出せない登場人物。携帯電話は通じない。そこで、救出を求めるテキスト・メッセージを打ち込んだ携帯電話にひもを付けて、高いところにある船倉の天窓から外に向かって放り投げては、ひもをたぐって取り戻すことを、メッセージが発信されたことが確認できるまで繰り返す ―― という内容だったと思います。

万が一、大地震で閉じこめられたとき、このような携帯電話によるテキスト・メッセージの性質を思い出せれば、命拾いをすることになるかも知れません。