2009年8月26日水曜日

韓国の人工衛星 行方不明

昨日 25日に打ち上げられた韓国の人工衛星は、当初、ロケットからの分離に成功し、軌道に乗ったとされていましたが、その後、予定の軌道への投入に失敗していたことが明らかになりました。予定よりも 36km 高い位置でロケットから分離された衛星は、現在、位置がわからなくなっており、地上から指令を送ったり、衛星からの電波を受信したりできない状態が続いています。

【追記: その後の報道で、衛星はフェアリングの分離に失敗し落下、大気圏内で消滅した可能性が高まっています。
追記終わり】

下記の記事によれば、〈北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のレーダーと望遠鏡を使ってでも探さなくてはならない〉状態であるようです:
失敗の原因について、さまざまな説が出されています。下記の記事では、〈発射 215秒後に衛星のフェアリングが分離されるべきだったが、2つのうちの一方しか外れなかったということだ。政府の発表とは異なる関係者の証言だ〉、〈発射体が発射初期に揺れながら上がったのも政府側は意図したものだと述べたが、実際には大きな事故につながりうる危険な状況だった〉、〈望遠鏡を利用して「羅老」を観測したあるロケット愛好家は「羅老が肉眼で見えなくなった直後、大きな物体が落ちるのを目撃した」〉などさまざまな情報を記載しています:
失敗の責任追及も始まっています。1段目のロケットを開発したロシア企業は、自分たちの担当した部分は正常に動作したと表明しています:
韓国のメディアは、自国の技術によほど自信が持てなかったためか、以前から打ち上げ失敗に備えて予防線を張るかのような記事をしきりに掲載していました。これまで自力で衛星打ち上げに成功した 9ヵ国は、いずれも衛星打ち上げの初期段階では失敗を繰り返していたという内容です。よく引き合いに出されたのはアメリカと日本でした。今回の失敗を受けて、案の定と言うべきか、同様の記事が増えています:
北朝鮮は、4月に同国がおこなった「人工衛星」打ち上げに対して、「安保理決議違反」と非難する国連安保理議長声明が採択されたこと踏まえて、8月 10日に「南朝鮮(韓国)の衛星打ち上げも国連安全保障理事会に上程されるか注目している」とコメントしています。つまり、韓国の人工衛星打ち上げも安全保障理事会は非難すべきだということなのでしょう:
日本の河村官房長官は、先週 19日に、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げとの違いを強調して、〈韓国のロケットは沖縄の上空を通過するが、日本政府は韓国政府から詳細な説明を受けており、また、韓国のロケットには有害な物質も搭載されていないので懸念していない〉という主旨の発言をしています:
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Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency