2009年6月25日木曜日

芙蓉山(松輪富士)が噴火 (続報-2)

サリチェフ峰(日本名:芙蓉山、松輪富士)の噴火をうけて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を使った緊急観測を実施し、その結果を公表しています:
上記資料の中にある画像は、クリックすると拡大します。

私が特に興味をひかれたのは、(3)の資料に載っている画像です。「だいち」搭載の L バンド合成開口レーダー(PALSAR:パルサー)によって得られたものです。溶岩の流れたようすや、噴出物の積み重なった様子がよくわかります。電波を使っているため、可視光や赤外線を使った画像に比べると解像度は落ちますが、雲の妨害を受けない、地表の凹凸がはっきりわかる、などの特徴があります。

同じ技術は、現在土星を周回しているアメリカの探査機カッシーニが、土星の衛星タイタンの表面を撮影するときにも使われています。タイタンは大気があり、いつも靄(もや)のようなものがかかっているため、可視光線では地表が見えません。そのため、レーダーを使った衛星表面のスキャンが活躍しています。以下はタイタンの表面をとらえたレーダー画像の一例です:
関連記事