2009年3月17日火曜日

第一鹿島海山

前回の「襟裳海山」に続き、「グーグル・マップを使ったプレートテクトニクス名所巡り」シリーズの第 2 回目です。今回は第一鹿島海山をとりあげます。


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前回の襟裳海山は裾野が海溝軸に到達して崩れ始めた段階でしたが、今回の第一鹿島海山はさらに海溝軸に近づいています。すでに、山体の西半分が正断層によって海溝に崩落し、その部分の海溝が浅くなっています。さらに陸側の海溝壁には、第一鹿島海山から崩落したと見られる岩石が付加し始めています。日本列島のかなりの部分は、このようにして付加した海山や海台から構成されていると言われています。

第一鹿島海山の後には、香取海山、第二~第五鹿島海山、磐城海山が北東方向に続いており、常磐海山列、鹿島海山列と呼ばれています。これらの海山もいずれは日本海溝から日本列島の下に沈み込む運命にあります。海山列を南西に向かって延長した陸側海溝壁には複数の盛り上がりが見られます。これらは、過去に沈み込んだ海山の痕跡と思われます。

第一鹿島海山は襟裳海山よりもさらに海溝への沈み込みが進行した段階を示しています。世界中の海溝を見ると、さらに沈み込みが進みほとんど山体が崩壊してしまったものや、沈み込んだ後の凹みが陸側海溝壁に残っているだけのものなど、さまざまな段階の海山を見ることができます。これらは、全体として、プレートが動いていることの「動かぬ証拠」となっています。

なお、「宏観休憩室 地震前兆研究村」の掲示板に「茨城県沖の地震と海山列」(2008年5月8日付)という記事を投稿していますので、そちらもご覧ください。

グーグル・マップの操作法はご存知の方が多いと思いますが、念のために書いておきます:
  • マップ上でマウス・ポインターが「手」の形になっているときに、左クリックしたままマウスを動かすことによって、マップを任意の方向にずらすことができます。
  • マップの左上部にある「+」か「-」を左クリックすることによって、マップの縮尺を変えることができます。
  • 拡大率をあまり大きくすると「この地域の詳細画像は表示できません」などのメッセージや空白がマップに表示されることがあります。
  • マップ上の任意の地点をダブル・クリックすると、その地点を画面の中央に持ってくることができます。
  • マップの左下にある「大きな地図で見る」をクリックして、広い範囲を表示することをおすすめします。
  • 「第一鹿島海山」と書かれた吹きだしは、その右上にある「×」をクリックすれば消えます。再度表示するには、第一鹿島海山につけられたピン型のマークをクリックします。